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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Therapeutics EF低下心不全患者では看護師主導の心不全治療薬の調整が入院と死亡率を減らす

ACPJCです。
なんか最近CPAPの副次効果は期待しないことにしております。

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Nurse-led titration of angiotensin converting enzyme inhibitors, beta-adrenergic blocking agents, and angiotensin receptor blockers for people with heart failure with reduced ejection fraction.

Driscoll A, Currey J, Tonkin A, Krum H. 

Cochrane Database Syst Rev. 2015;12:CD009889.


臨床上の疑問:
 EF低下心不全患者では、看護師主導ケア(Nurse-led tiltration:NLT)によるACE阻害薬・ARBs・β遮断薬の調整は、通常ケアと比較して入院や死亡率を減らすか


方法:
①Review範囲:18歳以上の心不全患者に対して、ACE阻害薬・ARB・β遮断薬の調節を、専門看護師または認定看護師(NP)が調節する治療と、プライマリケア医が行う(通常ケア)治療を比較した研究が組み入れられた。
 患者は、症候性心不全患者で、EFが低下し、上記3薬剤のうちどれか1つ以上処方されている。
 アウトカムは、全入院と心不全入院、全死亡、全てのイベント無し生存率、副作用。

②Review方法:MEDLINE、EMBASE/Excerpta Medica、Cochrane Central Register of Controlled Trials(2014年12月まで)、WHO International Clinical Trials Registry Platform、ClinicalTrials.gov(2015年7月まで)、文献のリファレンスリストなどでRCTが検索された。
 7RCT(n=1684人、平均59-81歳、4RCTは50%が女性、1RCTは79%が女性)が組み入れ基準をみたした。1つの追加研究のアブストラクトが組み入れ基準を満たしたが、最終的に十分なデータではなかったため除外された。
 2RCTは3つ全ての薬剤調整がされていた。2つはACE阻害薬とβ遮断薬、3つはβ遮断薬の調整のみだった。1RCTでは適切な隠蔽化がなされており、2つは適切なアウトカムデータ管理がされていた。4つが評価者のアウトカム評価を盲検化していた。患者や医療従事者の盲検化をしたRCTはなかった。フォローアップは6-18か月で平均12か月だった。

結果:
 NLT(看護師主導調整)は、全入院と心不全入院を減らし、全死亡も減らした。また、入院と全死亡の複合アウトカムも減少させた。
 2RCTが副作用について報告しており、1つはNLTグループで有害事象が一件起こっており、もう一つでは両群共に有害事象は認めなかった。

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(本文より引用)

結論:
 EF低下心不全患者では、看護師主導ケア(Nurse-led tiltration:NLT)によるACE阻害薬・ARBs・β遮断薬の調整は、通常ケアと比較して入院や死亡率を減らす

 解説にも書いてありますが、ACE阻害薬・ARB・β遮断薬はそれぞれ心不全患者に対して素晴らしい効果がありますが、実際に効果があるとされている量よりも少なく使用されているのが問題なのだそうです。NLTの方がβ遮断薬の治療域到達が多いなど。
 このSRの問題点は研究の内容がかなりヘテロであり、一定の見解を出しにくいというところでしょうか。