栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Therapeutics 院外心停止に対する機械CPRと用手CPRでは生存率も神経予後も変わらない

ACPJCです。
機械のレベルは色々な分野で人間を超えようとしておりますね。

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Manual cardiopulmonary resuscitation versus CPR including a mechanical chest compression device in out-of-hospital cardiac arrest: a comprehensive meta-analysis from randomized and observational studies. 

Bonnes JL, Brouwer MA, Navarese EP, et al.

Ann Emerg Med. 2016;67:349-60.


臨床上の疑問:
 院外心停止では、機械的CPRデバイスが用手的CPRと比較して臨床アウトカムを改善するか


方法:
①Review範囲:院外心停止患者に対する機械的デバイス単独もしくは組み合わせのCPRと用手的CPR単独を比較した研究を組み入れ。
 アウトカムとして、生存入院、ROSC、生存退院、神経予後などが評価された研究が対象。

②Review方法:MEDLINE、EMBASE/Excerpta Medica、Web of science、Cochrane libraryとリファレンスリスト(2000年〜2014年12月まで)でランダム化および非ランダム化比較試験のフルテキストおよびアブストラクトが調査対象。
 5つのランダム化比較試験(n=12206人)が組み入れ基準を満たした。15の非ランダム化比較試験も組み入れ基準を満たしたが、今回は解析対象からは外している。2つのRCTではAutoPulse CPRデバイス(ZOLL Medical Corporation)を、3つのRCTではLUCASデバイス(Physio-control Inc/Jolife AB)を検証している。全てのRCTは、コクランツールでバイアスリスクを評価し、バイアスリスクは低いと評価された。

結果:
 RCTのメタ解析では、どのアウトカムも有意差は認めなかった。

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(本文より引用)

結論:
 院外心停止では、機械的CPRデバイスは用手的CPRと比較して、生存入院・生存退院・神経予後などの臨床アウトカムを改善しなかった

 これは機械的デバイスの優位性を証明したかった模様なので、改善できなかったとの結論です。もちろん、機械でも変わらないなら機械で良いんじゃないか?という意見もあるでしょうね。コメントでは、まだもうちょっと良いデバイスが出るまでは待ちましょうとのことでした。