栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Therapeutics 移行期ケアとしてのテレモニタリングは心不全患者の再入院を減らすか

ACPJC5月分でました〜。
今月も少しずつ紹介していきます!

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Effectiveness of remote patient monitoring after discharge of hospitalized patients with heart failure: the Better Effectiveness After Transition–Heart Failure (BEAT-HF) randomized clinical trial. 

Ong MK, Romano PS, Edgington S, et al; Better Effectiveness After Transition–Heart Failure [BEAT-HF] Research Group. 

JAMA Intern Med. 2016; 176:310-8.


臨床上の疑問:
 高齢の心不全入院患者で、移行期ケアとしてのテレモニタリングは通常ケアと比較して退院後の再入院を減らすか


方法:
①デザイン:ランダム化比較試験(RCT)
。Better Effectiveness After Transition-Heart Failure[BEAT-HF]study

②割り付け:隠蔽化

③盲検:盲検化(データ収集者も)

④フォローアップ:180日

⑤セッティング:米国カリフォルニアの6つの臨床センター

⑥患者非代償性心不全で入院治療を受け自宅退院が可能となった1437人の50歳以上の成人(平均73歳、54%が男性)が対象。
 除外基準は、認知機能低下・運動能低下、資源不足、より医療従事者と接触が多くなる介入、内科的治療で改善することが期待された心不全

⑦介入:テレモニタリングによる移行期ケア群 715人と通常ケア722人が割り付けられた。移行期ケアは看護師によって行われ、ブックレットによって退院前の心不全教育に含まれていた。9人の指導された電話対応番が6か月以上対応し、テレモニタリングで体重・血圧・心拍が確認された。測定値が特定の閾値を超えた場合、看護師は医療機関受診か救急外来受診、911コールを勧めた。通常ケアは通常の退院指導と退院後の電話相談あり。

⑧アウトカム:180日以内の再入院。セカンダリーは、30日までの再入院と、30-180日の死亡率。

⑨フォロー率:98%(ITT解析)

結果:
 移行期ケアは通常ケアと比較して30日および180日の再入院および180日の死亡率を変えなかった。

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(本文より引用)

結論:
 高齢の心不全入院患者で、移行期ケアとしてのテレモニタリングは通常ケアと比較して退院後の再入院を減らさなかった

 テレモニタリング心不全を同定することはできるけれど、再入院の40%は非心原性要因であることも知られています。さて、効果は出ませんでしたが、次はどんな切り口かなあ。