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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

デスカンファ:ケアマネの情報・入院の役割

デスカンファ

今回のゲストライターは普段診療所で大変大変お世話になっているT先生です
ブログの輪が広がってますねえ。楽しいです!
では、T先生宜しくお願いします!


 まとめが追い付いていませんが、月に複数回亡くなった方の振り返り=デスカンファレンスを開催しています。
 最近のカンファレンスでは、次のような方々を取り上げました。

・強い妄想性障害の中で独居生活から入院を選択して亡くなられた方
・高齢者施設と自宅を行ったり来たりしながら自宅で亡くなられた方
・自宅での看取りにこだわらなくても良いと在宅医療チームも考えていたが自宅で亡くなられた方
・急性疾患で入院をして併発合併症で亡くなられた方
・入退院を反復しつつ、看取り期になり自宅で看取る方向になったが、医療者側から入院でのケア継続をお願いして亡くなられた方

 今年度になってから取り上げた方ばかりですが、とてもとても学びの多いカンファとなっています。

 最近のカンファレンスで印象的だったことは(あくまで診療所医者目線ですが。。。)、病院のスタッフとケアマネージャーさんの持っている情報があまりにも違った症例でした。

 急性疾患で入院され、入院中の併発合併症で亡くなられた方の振り返りの時のことです。カンファレンスの前半は病院スタッフを中心に情報を出し合っていましたが、家族と本人の関係、年の単位での状態の経過はどうだったのか、人生の歴史はどうだったのか、などなど色々なことが見えてきませんでした。
 入院中は御家族が熱心に関わっているようには見えなかったこともあり、「冷たい家族」なのではないかという印象さえ受けました。 
 ところが、ケアマネージャーさんが到着してからの情報収集では、それまで見えなかった部分がどんどん明らかになっていきました。劇的に!
 ・主介護者は患者の他に、他の家族すべての主介護者であって唯一のキーパーソンだったこと。
 ・そのため、多忙であり頻繁には来院できなかったこと。
 ・入院前に何年にも及ぶ介護生活があり疲弊していたこと。
 ・患者が認知症を患い療養する経過の中で主介護者に対して拒否的になっていったこと。また、妄想の攻撃対象になっていたこと。
 色々なことが明らかになるなかで、入院の役割も浮かび上がってきました。急性疾患の治療だけでなく、主介護者のレスパイト(休息)、次の療養場所選定のための期間という役割も持っていたのでした。

※症例の内容は一部プライバシーを鑑みて提示しています

  急性期病院で「治療」以外の役割を入院に持たせることはなかなか難しいのも現状かもしれません。でも、こういった事のできる病院が地域には必要です。有床診療所も得意とする分野です、多分。カンファレンスではケアマネージャーさんからの情報をもっと活用していこうという意見もだされていました。

 本当にその通りですね。

 会の終了後、参加したケアマネージャさんは、以前に他の病院に情報提供した際に何の意味もない情報だと言われたこともあったそうです。そのため、事前に患者さんの背景を病院側に情報提供することを躊躇していたということでした。

 病院や医者(医療者)のケアマネージャーさんなど介護に従事する人への態度は、まだまだ横柄なのかもしれません。そういった事も含めて、地域から病院を変えていく取り組みもどんどんやっていきたいと思えたカンファレンスでした。
 まずはコツコツと退院前カンファ、デスカンファレンスに出ていくところから続けていきます。

 皆さんのところではいかがですか?

 今日のキーワードは

・患者さんを理解するためにもケアマネージャーの持っている情報を活用しよう
・地域からは、病院入院に「治療」以外のことも期待されている

みんなでつくる地域包括ケア 見える事例検討会

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