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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Therapeutics 急性痛風発作に対するプレドニゾロンはインドメタシンと同等の鎮痛効果

ACPJCまとめておきます。
痛風に対するプレドニゾロンの効果。
これは解釈によって異なりますね。

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Oral prednisolone in the treatment of acute gout: a pragmatic, multicenter, double-blind, randomized trial.

Rainer TH, Cheng CH, Janssens HJ, et al.
Ann Intern Med. 2016;164:464–71.

 

臨床上の疑問:
 急性痛風発作で救急外来を受診した患者で、プレドニゾロンとインドメタシンは鎮痛効果は同等か?


方法:
①デザイン:ランダム化比較試験
②割り付け:隠蔽化
③盲検:四重盲検(患者・医師・データ収集車・アウトカム評価者)
④フォローアップ期間:14日
⑤セッティング:香港の4箇所の救急外来
⑥患者:416人の18歳以上の成人(平均65歳、74%男性)で急性痛風症状(急性発症の強い痛み・腫脹・関節発赤・6-12時間以内に最強に)出現3日以内に救急外来を受診した患者を組み入れた。
 患者は、母指MP関節・膝・足関節・手関節・肘関節の関節炎もしくは痛風関節、過去に穿刺吸引で痛風と診断されたことがある、高尿酸血症がある、1回以上臨床的に痛風関節炎と診断されたことがある、のどれか1つ以上を満たすものを痛風発作とした。
 除外基準は、ステロイドやインドメタシンが過去24時間以内に使用されている。過去の出血性疾患既往や抗凝固薬使用、化膿性関節炎疑いや他の関節疾患疑い、関節穿刺液で尿酸が認めない、不安定な心疾患、重篤な合併症、薬剤アレルギー、eGFR<30mL/min/1.73m2
⑦介入:
 経口プレドニゾロン(n=208人)またはインドメタシン(n=208人)に割り付け。プレドニゾロン群は30mg/日 5日間内服+インドメタシンをプラセボ。インドメタシン群は50mgインドメタシン 3錠分3を2日内服し、25mg3錠分3を3日内服+プレドニゾロンはプラセボとした。
⑧アウトカム:
 安静時・運動時の関節痛をVAS100mm評価した。セカンダリアウトカムは、副作用と薬剤中止率とした。非劣性試験のためには318人が必要患者数と算出され、両側検定でα=0.025、80%パワーで、VAS13mmを非劣性マージンと設定した。
⑨患者追跡:90%でITT解析

結果:
 疼痛スコアは両群で差を認めず、臨床的に有意な差と設定したVAS 13mmを越えなかった。これは受診2時間後、14日後ともに同等だった。

 プレドニゾロン群の方が最初2時間の副作用は少なかった(6% vs 19% ,p<0.001)が、1日〜14日の副作用は差が無かった。
 プレドニゾロン群で1人、インドメタシン群で7人が重篤な合併症を起こしたとして医師から治療を中断されていた。

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(本文より引用)

結論:
 急性痛風発作で救急外来を受診した患者で、プレドニゾロンとインドメタシンは鎮痛効果は同等だった。

 痛風にはPSLの方が効果的かつ短期間なので副作用が少ないので良いのでは?という仮説があるのだとか。
 痛風の臨床診断の問題があり、実際にこの通りでやってみるかは悩ましいところです。そもそもPSL使用しての長期予後はよく分かっていません。患者毎によく考えましょうというところみたいです。