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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Clinical Prediction Guide ABC脳卒中リスクスコアはCHA2DS2-vascスコアよりも心房細動患者の脳卒中を予測する

ACPJCまとめです。
恥ずかしながらこのスコアは初めて。
ガチンコ対決か!?
とりあえずSTABILITY研究の語呂がいかん!

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The ABC (age, biomarkers, clinical history) stroke risk score: a biomarker-based risk score for predicting stroke in atrial fibrillation.
Hijazi Z, Lindba ̈ ck J, Alexander JH, et al; ARISTOTLE and STABILITY Investigators. 
Eur Heart J. 2016;37:1582-90.

 

臨床上の疑問:
 心房細動患者では、生化学検査と臨床的特徴から構成されるClinical Prediction rulesで脳卒中を予測できるか?そのスコアは既存のCHA2DS2-vascスコアと比較してどうか?


方法:
デザイン:2つのコホート研究を元にして行われた。Apixaban for Reduction in Stroke and Other Thromboembolic Events in Atrial Fibrillation(ARISTOTLE)研究をderivationコホート。STabilization of Atherosclerotic plaque By intiation of darapLadlb TherapY(STABILITY)研究をvalidationコホートとした。

セッティング:国際多施設共同研究

患者
 derivationコホートでは、14710人の発作性・持続性・永続性心房細動・粗動患者で75歳以上の患者が対象患者だった。過去の脳卒中・TIA既往、全身性塞栓症・心不全・糖尿病・薬物療法が必要な高血圧を調査し、平均年齢70歳、64%が男性だった。ワーファリンもしくはアピキサバン治療群のベースラインの血清データを比較した。
 validationコホートでは、1400人の安定した冠動脈疾患患者で60歳以上、糖尿病・HDL低値・喫煙 5本/日以上・中等度の腎障害・多枝病変を持った患者、平均 69歳、86%が男性だった。デラプラディブもしくはプラセボで治療された患者のベースラインの血清データを利用した。

Prediction guide:ABCリスクスコアはAge・Biomarkers・Clinical historyの3項目からなるスコアで、具体的には年齢・高感度TnIまたは高感度TnT値、NT-ProBNPと脳卒中・TIAの既往から算出された。
 CHA2DS2-vascスコアは、女性・65-74歳・うっ血性心不全・高血圧・糖尿病・血管疾患があると1点、75歳以上・過去の脳卒中/TIA既往は2点だった。

アウトカム:1年後の脳卒中もしくは全身塞栓症の発症頻度

結果:
 Derivatiionコホートの2.7%、Validationコホートの3.4%が1年後に脳卒中もしくは全身性塞栓症を発症していた。validationコホートの評価では、ROC曲線は以下の通りでC-statisticは、ABCスコアの方がCHA2DS2-vascスコアよりも操作特性が良好だった。

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(本文より引用)

結論:
 心房細動患者では、生化学検査と臨床的特徴から構成されるClinical Prediction rulesで脳卒中を予測できるABCスコアはCHA2DS2-vascよりも脳卒中を予測し得た。

 うーむ、微妙。何が微妙かというとABCスコアのバイオマーカー。これって病態の時期によってだいぶ変わりますよね。こんな日々刻々と変わりゆくバイオマーカーを元に一生ものの抗凝固療法を選択されるなんて・・・と思ってしまいました。まだ大規模検証はされていないし飛びつくのは時期尚早です。

プライマリ・ケア医のための心房細動入門

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