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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

今週のカンファ:アルコールと胃潰瘍/HCVの急性感染の見分け方/CAT

カンファ アルコール 消化器 呼吸器

今週のカンファまとめ。
周回遅れではありますが・・・

アルコールと胃潰瘍 Alcohol and peptic ulcer

 アルコールを多飲するとなんとなく胃潰瘍などの消化性潰瘍を起こしやすそうなイメージがありますよね。実際、「お酒もタバコもやめて下さい」なんて指導されているのを見ることもあります。もちろん、お酒はほどほどに・・・なのですが、実際のところ、本当にアルコールは胃潰瘍のリスクになるのでしょうか?

 例えば、基礎的な機序でいうと、
①アルコールによる胃酸分泌作用
②アルコールによる胃粘膜直接作用
などが言われ、AGMLを発症した報告もある様です。まあ、このあたりも本当か?という突っ込みは出そうですが・・・
 
 現時点では、アルコール飲酒が消化性潰瘍の原因になったり悪化させたりと言った証拠はないようです。中等量のアルコールが潰瘍治癒を促進したかもしれない?という研究Gastroenterology. 1981;81(6):1061.)もある模様。まあ、今のところcontroversyというところでしょうか。

 ✓ アルコールそのものが消化性潰瘍のリスクになるかどうかははっきりしない

 

 

HCVの急性感染の見分け方 HCV acute infection 

 さらっとおさらいです。慢性肝炎については、HCV抗体測定→陽性ならPCRの流れで特に悩みはありませんが、今回のポイントは急性感染についてです。

 HCV急性感染はご存じの通り、HCV抗体は陽性になりません。なので抗体陰性でもHCV-RNAPCRを測定することになります。ただ、この場合に、患者が①急性肝炎を呈しているのかHCV曝露直後なのかによって若干対応が異なります。

①急性肝炎の場合(GOT/GPT上昇・黄疸等):
・直ぐにHCV RNAPCR検査とHCV抗体(ELISA)が推奨
 HCV RNA陰性 →急性肝炎は否定的。通常有症状時にはPCR検出可能なはず。ただし、HCV抗体陽性の場合には、12週間後PCR再検を。
 HCV RNA陽性/HCV抗体陰性 →急性肝炎の可能性が高い。12週間後にPCRHCV抗体再検。セロコン確認できれば急性肝炎。PCRがその時点で陽性なら持続慢性感染リスク。陰性なら一過性感染。
 HCV RNA陽性/HCV抗体陽性 →HCV感染症は確定。急性か慢性かの判断は困難。過去6か月以内にRNAもしくはHCV抗体のチェックがないか確認。
HCV曝露直後の場合:
・48時間以内にHCV RNAPCRHCV抗体(ELISA)と肝機能検査が推奨。これでベースラインの確認をしておく。※この時点では感染は成立していないため全て陰性のはず。陽性なら過去の感染。
 HCV RNA陰性 →陰性の場合に新規感染のリスクはある。
  4週間後:HCV RNAとGOT/GPT確認。HCV抗体は検出不可。
  3-4か月後:HCV RNAHCV抗体、GOT/GPT確認。
  6ヶ月後:HCV RNAHCV抗体
 HCV RNA陽性/HCV抗体陰性 →急性HCV感染の可能性。
 HCV RNA陽性/HCV抗体陽性 →HCVの既往感染で慢性感染。

 

 というあたりでしょうか。コア抗原を使うなどのコメントがありましたが、残念ながら有用性は低そうです。

 ✓ HCV急性感染・曝露時の対応を押さえておこう。HCV抗体とHCV RNA-PCRの使い方

 

 

CAT COPD assessment test

 CATちゃんと使用してますか?COPDの症状確認のための重要なツールですよね。COPDの症状評価のために用いられるツールはいくつかありますが、COPD Assessment Test(CAT)はGOLDが採用している質問紙表です。
 その他に用いられている者としてmMRC(modified Medical Research Council)呼吸困難スケールもありますが、息切れ意外の症状は評価できません。

http://www.gold-jac.jp/support_contents/img/JapanCATest.png

 ちなみに、更にマニアックな良く使用されている質問紙表はSt.George's Respiratory Questionaire(SGRQ)がありますが、全部で76項目あります。臨床所見では良いかもしれませんが、実臨床ではなかなか使用しにくいのが現状ですね。

  ✓ COPD患者さんの症状を適確に評価できるようにしよう