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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Prognosis 心筋梗塞患者では新規発症の心房細動があると90日以内の心血管イベントリスクが増える

ACPJCまとめです。
まあそうなんですね。心房細動が起こってしまうほどの心筋梗塞ということなんでしょうか・・・

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All types of atrial fibrillation in the setting of myocardial infarction are associated with impaired outcome. 

Batra G, Svennblad B, Held C, et al. 
Heart. 2016 Feb 29.

 

臨床上の疑問:
 心筋梗塞で入院した患者では、新規発症の心房細動は90日後の心血管イベントのリスクになるか?


方法:
デザイン:心筋梗塞後で新規発症の心房細動から90日後まで経過を見た観察研究。スウェーデンのwebシステムからデータ抽出した後ろ向き観察研究で、Enhancement and Development of Evidence-based care in Heart disease Evaluated According to Recommended Therapiesレジストリーと、Swedish Cause of Deathレジストリー、National Patientレジストリーのデータ

セッティング:スウェーデンの72CCU

患者
 15
万5071人の30歳以上の2000-2009年までの間に初発心筋梗塞入院患者(平均69-80歳、58%男性)で、生存退院していて入退院時の心電図がある方。

予後因子:心房細動サブタイプは
①新規発症心房細動で退院時は洞調律(n=5769人)
②新規発症心房細動で退院時も心房細動(n=5973人)
③発作性心房細動(過去に心房細動既往があるが、入退院時心電図が洞調律、n=7633人

④慢性心房細動(n=4648人)
⑤心房細動なし(n=13万1048人) = コントロール群

アウトカム:心血管イベントの複合アウトカム(全死亡・心筋梗塞・虚血性脳卒中)

結果:
 心血管イベントの複合アウトカムは、心房細動群の方がコントロール群よりも優位に多かった。心房細動サブタイプ毎には差を認めなかった。

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(本文より引用)

結論:
 心筋梗塞患者では、新規発症の心房細動は90日後の心血管アウトカムリスク有意に増やした。

 Swedenの大規模コホートです。相変わらず凄い症例数。これはもうレジストリー作った時点での勝利ですね。政策とでも言うべきか!?
 まずは心房細動の合併率が16%というのが結構高いなと思いました。そして毎回そうですが、発作性心房細動でもリスクは変わらない模様です。今回のCVイベントリスクは、通常の心房細動の塞栓リスクだけでは説明がつかなそうです。心房細動によって心筋の酸素需要が増え心筋虚血を悪化させる可能性があります。また、このコホートでは心房細動患者に抗凝固が24%しか処方されておらず、クロピドグレル 38%、アスピリン 76%でした。適切な処方が必要ですね。

プライマリ・ケア医のための心房細動入門

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