栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

論文:Prospective ベッド上自転車漕ぎ試験(bed cycling test)の評価

ベッド上自転車漕ぎ試験(bed cycling test)の評価
Clinical evaluation of the bed cycling test*1

Brain and Behavior, 2016; 0(0), e00445

【目的】
 上腕の回内試験は軽度の上肢機能障害を同定するのに有用な検査だが、ベッド上自転車漕ぎ試験(bed cycling test:BCT)は下肢の機能障害を同定するのに有用かを、通常の下肢挙上保持試験(Leg Holding test:LHT)と比較する。

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(本文より引用)
【方法】
 前向きの観察者盲検研究がMRIもしくはCTで同定された大脳半球病変による軽度から中等度の下肢片麻痺(MRC 3-4/5程度)の患者60人を用いて行われた。コントロールは画像陰性の正常な60人のビデオを用意。観察者は9人で診断は盲検化とされていた。感度・特異度・陽性予測値・陰性予測値が算出された。

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(動画はこちら。逆もあるんですね)
【結果】
 画像陽性で観察者が正しい診断をしたのが、BCT群 35.5%、LHT群 26.0%だった。一方、偽陰性はBCT群 29.1%、LHT群44.7%だった。36.7%の患者では、LHT陰性でBCTのみ陽性だった。
 両方の検査を組み合わせると、感度 68%(61-75%)だった。BCTはLHTよりも感度が高く(64.3% vs 46.2%)、特異度はLHTの方がBCTより高かった(85.6% vs 70.1%)。観察者間の違いは大きかったが、試験毎では差を認めなかった。

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(本文より引用)
【結論】
 BCTはわずかな下肢の片側麻痺を同定する追加検査としては有用だった。施行は容易であり、ルーチンの神経診察に加えても良いかもしれない。
【批判的吟味】
・うーむ、微妙ですが・・・
・まず論文のPECOから
P:画像で確認された頭蓋内片側病変に伴う下肢片麻痺患者群およびコントロール群で撮影したビデオ360本
E/C:①ベッド上自転車漕ぎ試験(BCT)、②通常の下肢挙上保持試験(LHT)、③BCT・LHT両方
O:下肢片麻痺の診断
T:横断研究
・具体的なBCTの方法として、「目をつぶって前方向に10秒、後ろ方向に10秒空中で自転車をこいでもらう」というものです。麻痺がある側は回す速度が明らかに遅くなる場合やうまく回せない場合に陽性としています。
・まあとりあえず、感度も特異度も低すぎるのがポイントでしょうか。
・まだ所見としてどうでしょう?と広く呼びかけている段階なので、今後のValidationが為されるのが重要になるでしょう。

【個人的な意見】
 何か追加出来ないかという視点はおもしろいですよね。ちなみに論文のIntroで出ていた、Forearm rolling testとかFinger rolling testってこんな感じみたい。通常のBarreとかに加えてこれを行うと感度も特異度もあがるみたいです。今度やってみよう!
 機序としては、より近位の筋肉を迅速で反復して動かすことがポイントのようです。

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✓ ベッド上自転車漕ぎ試験(bed cycling test)は下肢の片麻痺同定に役立つかもしれない