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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Therapeutics ジクロフェナクなどのNSAIDsは他のNSAIDsと比較して膝・股関節の疼痛・機能を改善する

ACPJC 論文 薬剤 整形 Lancet

ACPJCまとめです。
ただ、こやつは副作用も多いからなあ・・・

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Effectiveness of non- steroidal anti-inflammatory drugs for the treatment of pain in knee and hip osteoarthritis: a network meta-analysis.  

da Costa BR, Reichenbach S, Keller N, et al.

Lancet. 2016; 387:2093-105.

 

臨床上の疑問:
 膝・股関節の変形性関節症の患者では、NSAIDsやアセトアミノフェンは関節の疼痛を改善するか?


Review範囲:
 疼痛を有する膝・股関節変形性関節症の患者に対するNSAIDsやアセトアミノフェンプラセボを比較した研究を組み入れ。プライマリアウトカムは疼痛、セカンダリアウトカムは身体機能となった。

Review方法:
データベース:MEDLINE、EMBASE/Excerpta Medica(2009-2015)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(1980-2015年2月)、リファレンスリスト、Clinical Trials.govを検索し、ランダム化比較試験(RCT)で100人以上の患者数がある研究を組み入れた。RCTは膝や股関節の変形性関節症が80%を超える研究が主だった。安全性データが不十分なNSAIDsは除外された。

研究:74RCTs(n=58556人、平均 58-71歳、女性が49-90%)が組み入れ基準を満たした。

対象薬剤:研究で評価されたNSAIDsは7種類で、セレコキシブ・ナプロキセン・イブプロフェン・ロフェコキシブ・ルミラコキシブ・エトリコキシブ・ジクロフェナク・アセトアミノフェンを様々な容量で評価した。

アウトカム:オロフェコキシブとルミラコキシブはほとんど症例数がないため検討から除外

フォローアップフォローは1-52週間(平均12週間)。

データ解析直接・間接比較はBayesian ネットワークメタ解析を用いて行われた。

アウトカム:痛み・身体機能のアウトカムは通常治療と比較してMCIDが-0.37を有意と考えた。これはVASスケールで9/100mmの範囲。

結果:
 結果は下記テーブルの通り

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(本文より引用)

結論:
 NSAIDsの中でいくつかは、臨床的に膝・股関節変形性関節症の関節痛・身体機能を改善するものがあった。
 ジクロフェナク 150mgのみが明らかに設定したMCIDを超えて、疼痛・身体機能の両方に効果があることが明らかになった。

 OA患者では薬物療法・非薬物療法・外科治療の推奨がありますが、どの治療が病気の経過を遅くしていくれるかは明らかではありません。また、多疾患併存やポリファーマシーの状態である方が多く、NSAIDsによる心合併症や消化性合併症などが危惧されます。この場合には頓用使用も検討しましょう。
 最ちなみに本邦で使用可能なジクロフェナクの最大量は1錠25mgで4錠の100mgまでですね。今後のRCTでの検証が待たれる部分です。