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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

NEJM Knowledge+:80歳女性 発熱・めまい

NEJMのKnowledge+です。
今週はだいぶ遠いところからお届けいたします。
そしてこれは良問です

症例:80歳女性 発熱・めまい

 80歳女性が、めまいと全身倦怠感で入院。過去数日以内に数回回転性めまいの発作あり。家族が言うには、持続的な頭痛・全身倦怠感・こわばり・食欲低下・微熱が2週間前から続いているという。

 頻尿と手の変形性関節症、高血圧、うつ病の既往があり、内服薬は、アセトアミノフェン・オキシブチニン(ポラキスⓇ)・ヒドロクロロチアジド(ニュートライドⓇ)・シタロプラム(レクサプロⓇ)だった。

 体温は38.1℃、HR 85bpm、血圧 110/65mmHg、RR 12/min、リンパ節腫張や皮疹なし

 胸腹部身体所見には特記事項なく、筋骨格系視察では、両肩に可動域制限と圧痛を認めた。神経学的所見では認知機能正常で、脳神経正常で筋力低下なし。歩行は失調様歩行でRoberg陽性だった。

 MRIでは椎骨・脳底動脈灌流領域に急性の多発小脳梗塞の所見を認めた。

 採血結果は以下。

f:id:tyabu7973:20160720061039p:plain(本文より)

 尿所見では白血球・白血球エラスターゼ・赤血球亜硝酸・蛋白は陰性だった。

質問. 本患者で最も適切な診断のための検査はどれか?

  1.   経胸壁心臓超音波検査
  2.   抗好中球細胞質抗体(ANCA)
  3.   抗核抗体(ANA
  4.   側頭動脈生検
  5.   頸動脈Dopplar超音波検査

 

Key Learning Point

After initiation of a continuous intravenous insulin infusion in a patient who is in a hyperosmolar hyperglycemic state, the serum sodium level is expected to increase. - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1232/answer/E/?source=qowemail&inf_contact_key=17b5698a6684a395d9fc82ffb22e1fa91de10b4fde895a56d5112390edd38a2a#sthash.U24I63Zx.dpuf
高 血糖高浸透圧状態にある患者において持続静脈内インスリン注入の開始後、血清ナトリウムレベルが増加すると予想される。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1232/answer/E/?source=qowemail&inf_contact_key=17b5698a6684a395d9fc82ffb22e1fa91de10b4fde895a56d5112390edd38a2a#sthash.U24I63Zx.dpuf
患 者に害を引き起こす医原医療ミスを伝えるための適切な方法は、エラーのオープンで正直なアカウントを提供し、患者に正式に謝罪することです。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1015/answer/B/#sthash.vBmBG3vd.dpuf
慢 性閉塞性肺疾患の増悪と高炭酸ガス呼吸不全や肺炎の証拠で入院した患者は、気管支拡張薬治療、全身グルココルチコイド、およびフルオロキノロンまたはマク ロライド系抗生物質で治療すべきである。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/235/answer/A/?source=qowemail&inf_contact_key=5867c46d2a7fbaecc6edeccb8b5f2d7372c2badebfd1c8e5638e924cb4d6a052#sthash.X4dusLJi.dpuf
The gradual development of arm weakness and Horner’s syndrome in an older former smoker is most indicative of a diagnosis of an apical bronchogenic cancer known as a Pancoast’s tumor. - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/932/answer/A/?source=qowemail&inf_contact_key=8b697793f3c2f6a9d68dcdc1826ffea87b269461ef7de16dbcbb80275770fc7a#sthash.YmYXCOj2.dpuf

 巨細胞性血管炎の患者で最も起きやすい脳梗塞は椎骨脳底動脈灌流域である

回答 4. 側頭動脈生検

解説:

 50際以上の高齢の患者で最もコモンな全身性血管炎は巨細胞性血管炎(GCAである。北欧系の方々で最もリスクが高いのは75-85歳で、GCAは椎骨脳底動脈循環の脳卒中と関連している。

 頭痛はGCA患者で最も頻度が高いが、約80%程度しか認められないと報告されている。リウマチ性多発筋痛症の症状(肩や頸部・股関節の痛みやこわばり)はGCA患者の40%に認められる。発熱や全身倦怠感、体重減少、発汗などの全身症状もまたよくある症状だが非特異的である。高齢者で持続する発熱や原因不明の急性炎症性蛋白の髙値はGCAを疑う所見である。GCAは高齢者の不明熱の原因として最も多い原因の一つであり、ある研究では不明熱の原因の17%を占めたと報告されている。

 側頭動脈生検はGCAの診断的検査だが15%では陰性になる。GCAの疑いが高い場合には、片側が陰性でも側頭動脈の超音波検査やMRAによる頭蓋内動脈の評価、更にはもう片側の側頭動脈生検を繰り返すことも施行しても良いかもしれない。

 経胸壁心臓超音波や頸動脈超音波検査は、GCAの大血管病変合併を評価することができることもあるが、感度も特異度も高くない。この患者の脳卒中の分布は後方循環である椎骨脳底動脈灌流域に限局している。

 ANAやANCAはGCAを疑っている患者では上昇しないだろう。

Citations

  • Weyand CM and Goronzy JJ. Giant-cell arteritis and polymyalgia rheumatica. N Engl J Med 2014 Oct 23; 371:1653.

  • Caselli RJ et al. Neurologic disease in biopsy-proven giant cell (temporal) arteritis. Neurology 1988 Mar 1; 38:352.

  • Hunder GG et al. The American College of Rheumatology 1990 criteria for the classification of giant cell arteritis. Arthritis Rheum 1990 Aug 1; 33:1122. 

 GCAやっぱり難しい。疑ってる場合は、とことんですよね。すくなくとも側頭動脈部分の症状がそんなにない人って多いです。咳の鑑別で診断した人とかいたなあ。

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