栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Therapeutics 成人では禁煙は徐々に中止するよりも突然中止した方が良い

ACPJCまとめです。
このネタは行ったり来たりだなあ・・・

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Gradual versus abrupt smoking cessation: a randomized, controlled noninferiority trial. 

Lindson-Hawley N, Banting M, West R, et al. 

Ann Intern Med. 2016;164:585-92.

 

臨床上の疑問:
 成人の喫煙者では突然禁煙するのと徐々に禁煙するのとではどちらが効果的か

方法:
デザイン:ランダム化比較試験/非劣性試験

割り付け:隠蔽化

盲検化:非盲検

フォローアップ期間:6か月間

セッティング:英国の31プライマリケア施設

患者697人の成人喫煙者(平均年齢49歳、男性 50%、94%白人)で、重喫煙者(喫煙≧15本/日もしくは12.5gのタバコ量/日、呼気CO濃度 ≧15ppm)患者で組み入れ2週間以内にタバコを止めたいと思っている方対象。
 除外基準は、現在筋炎治療中の患者やニコチン置換療法の禁忌事項。

介入:突然禁煙群(n=355人)、緩徐禁煙群(n=342人)。突然中止群は中止前までにニコチンパッチ21mg/日を使用しながら、喫煙を最低2週間は継続してもらい漸減はしなかった。
 緩徐禁煙群は、3つの漸減プログラムのうち1つを選択する。1つめは21mg/日のニコチンパッチ群、2つめは短時間作用型のニコチン置換療法群、3つめは看護師によって減量スケジュールを設定するパターンだった。どの群も最初の1週間で50%、その後75%減量し、中止後は両群共に、カウンセリング、ニコチンパッチ、短時間作用型ニコチン置換療法を受けることが可能だった。

アウトカム:プライマリアウトカムは、4週時点での禁煙率。禁煙の確認は呼気CO<10ppmで確認した。セカンダリアウトカムは、6ヶ月後の禁煙率とした。

患者追跡率6ヶ月追跡率は84%でITT解析をおこなった。

結果:
 禁煙率は4週後も6か月後も突然中止群の方が高かった。

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(本文より引用)

結論:
 成人喫煙者では、突然禁煙群は緩徐禁煙群と比較して、4週後・6ヶ月後の禁煙率が高い。

 前はどちらでも一緒というデータが出ていましたが、今回は突然中止が良いという結果でしたね。ただ、何にせよ患者希望を重要視しなさいとコメントされています。中止方法を確認することは、患者のモチベーションを評価することに繋がるかもしれない・・・といわれています。今回の結果からは、緩徐禁煙群はより禁煙への意欲が低かった可能性も示唆されています。
 禁煙外来の医師が行うべきこととして、
①禁煙への興味を確認
②患者を励まし禁煙日を設定する
③薬剤の提供
④適切なカウンセリングや地域との繋がり形成

✓ 成人喫煙者は突然禁煙群が緩徐禁煙群と比較して喫煙率が高い