読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

Dトレ(ポリファーマシー連載8月号):そもそも薬で解決する問題なのか?

ポリファーマシー 薬剤 精神

連載第5回目です。
今回は大上段で認知症周辺症状に対する投薬に切り込んでいます。
限界やリスクを知った上でどう行動するかが求められていますよね。

ご興味ありましたら「治療」か「薬局」どちらかに掲載されておりますので本文をお読み下さい。 
それにしても毎回薬局のテーマはすごいっすね。
今回はスタチン!男らしい!

 

薬局 2016年 08 月号 [雑誌]

薬局 2016年 08 月号 [雑誌]

 

 

症例) 88歳女性

 88歳女性。75歳頃までは旅館の仲居さんとして働いているくらい元気な方だったが、80歳頃から物忘れが目立つようになりAlzheimer型認知症と診断された。ADLは比較的保たれていたが、徐々に妄想や大声が目立つようになり、同居していた長男夫婦と折り合いが悪くなり、5年前に現在の施設に入所された。入所当初は徘徊もあり、じっと座っていられないことも多かったため、嘱託医から抑肝散Ⓡが処方されたが、効果が不十分だったため1年ほど前にジプレキサⓇが追加となった。その後やや活動性は落ち日中も寝ていることが増えたが、何とかADLを保ちながら施設生活を継続していた。半年くらい前からむせ込みやふらつきが目立つようになり、今回発熱・低酸素血症・咳嗽で、救急搬送され誤嚥性肺炎の診断で入院となった。

 既往歴は、1年ほど前から糖尿病・脂質異常を指摘され内服処方を受けている。家族歴:特記事項無し。アレルギーなし。喫煙・アルコールなし。要介護4でADLは手引きでトイレ歩行可能。食事はセットすれば摂取可能。明らかなパーキンソン症状は認めない。長谷川式知能スケールは12/30点。HbA1c 6.2%。LDL-Cho 78mg/dL。

 肺炎は抗菌薬投与で治癒し、今後嚥下評価も含めたリハビリを予定している。現在の内服薬は以下の通りである。

・抑肝散Ⓡ 2.5g 3包/分3 朝食前 85.5円
ジプレキサ錠Ⓡ 10mg 1錠/分1 朝食後 489.8円
マグラックスⓇ 330mg 3錠/分3 毎食後 18.2円
・アミティーザⓇ 24μg 2錠/分2 朝夕食後 322.2円
・トラゼンタⓇ5mg 1錠/分1 朝食後 171.9円
・アマリールⓇ1mg 1錠/分1 朝食後 17.1円
・ゼチーアⓇ 10mg 1錠/分1 朝食後 185.3円
・ネキシウムⓇ 20mg 1錠/分1 朝食後 145.1円
合計 1435.1円/日

 

質問)この患者さんの処方について正しいものはどれか。1つ選べ。

A.認知症の周辺症状に対してジプレキサⓇは良い適応である」
B.「一般的にジプレキサⓇはリスパダールⓇよりも眠気が少ない」
C.認知症の周辺症状に対する抑肝散Ⓡの効果を検証したランダム化比較試験はない」
D.ジプレキサⓇが糖尿病の原因になっている可能性がある」
E.ジプレキサⓇが脂質異常症の原因になっている可能性はない」

Key Learning Points!)

認知症の周辺症状とは何かをもう一度考えよう
認知症の周辺症状に対する非定型抗精神病薬は適応外使用である
・非定型抗精神病薬の効果と害について覚えよう


興味のある方は続きを雑誌をご確認ください!

治療もまた良いテーマです。

治療 2016年 08 月号 [雑誌]

治療 2016年 08 月号 [雑誌]