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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

NEJM Knowledge+:62歳女性 敗血症時のAKI/高カリウム血症

NEJMのKnowledge+です。
夏休み始まりました!今日はプール!!

症例:62歳女性 敗血症時のAKI/高カリウム血症

 62歳女性、敗血症性ショック、肺炎、急性腎障害(AKI)、高カリウム血症あり。最近10時間の尿量が75mlだった。末梢静脈路が確保され、経静脈的抗菌薬と生理食塩水が投与されている。血圧は82/50mmHgから112/62mmHgまで改善している。
 採血ではCr 4.2mg/dL、カリウム値 6.6mEq/Lだった。心電図では、HR 92bpm、ST部分とT波は正常だった。

質問. 本患者の高カリウム血症に対する適切な初期治療はどれか?

  1.   経直腸的ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(イオン交換樹脂)
  2.   経静脈的重炭酸ナトリウム
  3.   経静脈的フロセミド
  4.   経静脈的GI療法
  5.   経静脈的カルシウム塩

 

Key Learning Point

After initiation of a continuous intravenous insulin infusion in a patient who is in a hyperosmolar hyperglycemic state, the serum sodium level is expected to increase. - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1232/answer/E/?source=qowemail&inf_contact_key=17b5698a6684a395d9fc82ffb22e1fa91de10b4fde895a56d5112390edd38a2a#sthash.U24I63Zx.dpuf
高 血糖高浸透圧状態にある患者において持続静脈内インスリン注入の開始後、血清ナトリウムレベルが増加すると予想される。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1232/answer/E/?source=qowemail&inf_contact_key=17b5698a6684a395d9fc82ffb22e1fa91de10b4fde895a56d5112390edd38a2a#sthash.U24I63Zx.dpuf
患 者に害を引き起こす医原医療ミスを伝えるための適切な方法は、エラーのオープンで正直なアカウントを提供し、患者に正式に謝罪することです。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1015/answer/B/#sthash.vBmBG3vd.dpuf
慢 性閉塞性肺疾患の増悪と高炭酸ガス呼吸不全や肺炎の証拠で入院した患者は、気管支拡張薬治療、全身グルココルチコイド、およびフルオロキノロンまたはマク ロライド系抗生物質で治療すべきである。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/235/answer/A/?source=qowemail&inf_contact_key=5867c46d2a7fbaecc6edeccb8b5f2d7372c2badebfd1c8e5638e924cb4d6a052#sthash.X4dusLJi.dpuf
The gradual development of arm weakness and Horner’s syndrome in an older former smoker is most indicative of a diagnosis of an apical bronchogenic cancer known as a Pancoast’s tumor. - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/932/answer/A/?source=qowemail&inf_contact_key=8b697793f3c2f6a9d68dcdc1826ffea87b269461ef7de16dbcbb80275770fc7a#sthash.YmYXCOj2.dpuf

 最も適切なカリウム値を下げる治療は、カリウムを細胞内に移動するための経静脈的GI療法を行うことである

回答 4. 経静脈的GI療法

解説:

 経静脈的GI療法が重度の高カリウム血症(K>6mEq/L)の治療として行うべき最も適切なオプションである。治療開始後3-5分でカリウムを細胞内に移行させ、30分で血清K値が0.6-1.0mEq/L低下させる効果がある。ネブライザーでのアルブテロール吸入も同様に細胞内にカリウムを移行させる。しかし、高カリウム血症の治療として用いる場合には、通常の気管支攣縮に対して使用される10-20mgよりもかなり多い量の吸入が必要であり、現実的では無い。多くの臨床医は頻脈性不整脈発生リスクを考慮して、高カリウム血症に対する高用量アルブテロール吸入は行わないだろう。

 重炭酸ナトリウムは、論理的にはカリウムを細胞内に移行させるが、その効果は少なく根拠となるデータも限定的である。多くの臨床医は代謝性アシドーシス合併患者を合併した場合にこの治療法を検討するだろう。

 ポリスチレンスルホン酸ナトリウムは消化管からのカリウム排泄を亢進させるが、効果発現までには少なくとも4時間は必要となり、その根拠となる強いエビデンスも無い。

 フロセミドは、腎機能正常患者では効果的に高Kの治療は可能だが、GI療法やアルブテロール吸入ほど早く効果発現はせず、急性乏尿性腎障害を来した患者での有効性は期待しにくい。容量負荷により尿量ガ確保できれば、フロセミドはカリウム排泄を亢進するための選択肢にはなり得る。

 カルシウム投与は、血清カリウム値は低下させないが、心筋の興奮性を抑える効果が期待される。もし、高カリウム血症として矛盾しない心電図異常があって致命的な状況の場合には、適応にすべきである。しかし、カルシウム塩投与は、血管外漏出による組織壊死が危惧され、末梢から投与すべきではない。代わりにグルコン酸カルシウム(カルチコールⓇ)が安全に投与可能である。

Citations

  • Gumz ML et al. An integrated view of potassium homeostasis. N Engl J Med 2015 Jul 2; 373:60.

  • Elliott MJ et al. Management of patients with acute hyperkalemia. CMAJ 2010 Oct 19; 182:1631.

  • Mahoney BA et al. Emergency interventions for hyperkalaemia. Cochrane Database Syst Rev 2005.

  • Kamel KS and Wei C. Controversial issues in the treatment of hyperkalaemia. Nephrol Dial Transplant 2003 Nov; 18:2215. 

 ちなみにコメント欄は大炎上笑。心電図正常だし、カリウムそこまで気にしなくても良いんじゃない?みたいな意見も出ていました。 

Hospitalist(ホスピタリスト) Vol.2 No.1 2014(特集:腎疾患)

Hospitalist(ホスピタリスト) Vol.2 No.1 2014(特集:腎疾患)