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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

NEJM Knowledge+:68歳女性 心筋梗塞治療後に・・・

NEJMのKnowledge+です。
夏休みが終わってしまった・・・
オリンピックも・・・

症例:68歳女性 心筋梗塞治療後に・・・

 68歳女性が、前壁のST上昇型心筋梗塞罹患し、薬剤溶出性ステントが左前下行枝近位部に留置され3週間後に受診された。
 収縮能低下(左室EF 42%)、高血圧、脂質異常あり。内服薬は、アスピリン 81mg、プラスグレル 10mg、アトルバスタチン 80mg、メトプロロール徐放剤 50mg、リシノプリル 10mg、フロセミド 20mgを連日内服。
 37.7度の微熱があり、心拍は 58bpm、BP 128/76mmHg、SpO 98%(RA)だった。頸静脈怒張なし。呼吸音は正常で、心音は雑音、摩擦音、ギャロップなし。下腿浮腫認めず。
 採血で、CK 136U/L、CKMB 3ng/ml、Troponin T 0.04ng/ml、BNP 376pg/ml
 心電図は以下

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(本文より)

質問. この患者で次に行うべき最も適切なステップはどれか?

  1.   入院とし未分化ヘパリン投与
  2.   肺塞栓プロトコールで胸部CT
  3.   コルヒチンとアスピリン高用量開始
  4.   高用量プレドニゾロン開始
  5.   左室カテーテルを再検

 

Key Learning Point

After initiation of a continuous intravenous insulin infusion in a patient who is in a hyperosmolar hyperglycemic state, the serum sodium level is expected to increase. - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1232/answer/E/?source=qowemail&inf_contact_key=17b5698a6684a395d9fc82ffb22e1fa91de10b4fde895a56d5112390edd38a2a#sthash.U24I63Zx.dpuf
高 血糖高浸透圧状態にある患者において持続静脈内インスリン注入の開始後、血清ナトリウムレベルが増加すると予想される。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1232/answer/E/?source=qowemail&inf_contact_key=17b5698a6684a395d9fc82ffb22e1fa91de10b4fde895a56d5112390edd38a2a#sthash.U24I63Zx.dpuf
患 者に害を引き起こす医原医療ミスを伝えるための適切な方法は、エラーのオープンで正直なアカウントを提供し、患者に正式に謝罪することです。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1015/answer/B/#sthash.vBmBG3vd.dpuf
慢 性閉塞性肺疾患の増悪と高炭酸ガス呼吸不全や肺炎の証拠で入院した患者は、気管支拡張薬治療、全身グルココルチコイド、およびフルオロキノロンまたはマク ロライド系抗生物質で治療すべきである。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/235/answer/A/?source=qowemail&inf_contact_key=5867c46d2a7fbaecc6edeccb8b5f2d7372c2badebfd1c8e5638e924cb4d6a052#sthash.X4dusLJi.dpuf
The gradual development of arm weakness and Horner’s syndrome in an older former smoker is most indicative of a diagnosis of an apical bronchogenic cancer known as a Pancoast’s tumor. - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/932/answer/A/?source=qowemail&inf_contact_key=8b697793f3c2f6a9d68dcdc1826ffea87b269461ef7de16dbcbb80275770fc7a#sthash.YmYXCOj2.dpuf

 心筋梗塞後症候群(Dressler症候群)は、高用量アスピリン・鎮痛剤・コルヒチン投与で治療すべき。

回答 3. コルヒチンとアスピリン高用量開始

解説:

 心筋梗塞後症候群(Dressler症候群)は、心筋梗塞の数週間後または数ヶ月後に約3%程度の患者に発生する。これは心膜および胸膜中皮に対する免疫複合体の炎症反応によって発症し、胸膜痛・発熱・心膜摩擦音や心嚢液を来す。特徴的な心電図変化は、び漫性PR低下やST上昇である。

 保存的治療戦略は、アセトアミノフェン・コルヒチン・高用量アスピリン(2-4g/日)である。最近のランダム化比較試験では、NSAIDsまたはアスピリンにコルヒチンを追加することで、急性心膜炎のアウトカムを改善した。一方、心筋梗塞後症候群では、心筋治癒を妨げるためには心膜炎で使用されるようなNSAIDsやステロイドを避けるべきである。

 ステント血栓症は本患者では考えにくい。胸痛の性状やトロポニンT正常、心電図が前胸部ST上昇型心筋梗塞と一致しないからである。左心カテを繰り返す必要はない。

 肺塞栓症は典型的には頻脈、低酸素血症を来たし、最近発症した心筋梗塞との関連はDressler症候群よりは低い。CTは不要である。

 ヘパリンなどの抗凝固薬は出血性心嚢液貯留とタンポナーデのリスクを増やす

Citations

  • Imazio M et al. A randomized trial of colchicine for acute pericarditis. N Engl J Med 2013 Sep 3; 369:1522.

  • O'Gara PT et al. 2013 ACCF/AHA guideline for the management of ST-elevation myocardial infarction: a report of the American College of Cardiology Foundation/American Heart Association Task Force on Practice Guidelines. Circulation 2013 Jan 29; 127:e362. 

 なかなか経験したことはありませんが、当院では心筋梗塞患者を多数フォローするようになったので、そろそろ出会うかもしれませんね。