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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

今週のカンファ:単純CTで見る脳動脈瘤/Flick sign/麻疹ワクチンの歴史

カンファネタです。
画像のスペシャリストや身体所見好きレジデントがカンファにいると盛り上がりますね。あとはすごーく批判的な人々も重要です(笑)

単純CTで見る脳動脈瘤 Cerebral Aneurysm on Brain CT

 一般的に頭部単純CTでは脳動脈瘤は同定できません。通常はMRAやCTA出動脈瘤を検出することになりますが、時折偶発的に頭部単純CTで脳動脈瘤が映り込むことがあります。

 円形の比較的高信号の腫瘤影として描出されることがあり、CTAやMRAなどを追加することで動脈瘤であることが判明したりします。このタイプは血栓動脈瘤とも呼ばれ、概して大きなものが多い様です。

http://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/wp-content/uploads/2014/08/giant-aneurysm.png
http://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/wp-content/uploads/2014/08/giant-aneurysm.pngより引用)

 大きな動脈瘤の分類として、
・10-25mm 大型動脈瘤
・25mm以上  巨大動脈瘤
などど進撃の巨人的な名前が付いています。

 高吸収ならまだ見つけやすいのですが、比較的等吸収なこともある様で悩ましいところですね。出血を繰り返しながら徐々に大きくなることも知られており、MRIでは層状構造が見られたり、造影CTでは壁の造影効果が見られることもあります。

 ✓ 頭部CTで類円形の等吸収〜高吸収の腫瘤を認めたら大型動脈瘤も鑑別に

 

Flick sign

 あ〜、あれね。という人はスルーしてください(笑)これは手根管症候群の身体所見です。手根管症候群の診断時に身体所見は重要ですし、感覚障害の分布などで総合的に判断するわけですが、有名な身体所見として、Phalen徴候やTinel signがありますよね。このあたりは比較的よく施行されていますよね。

 蛇足ですが、Phalen徴候の感度は68%、特異度は73%と言われ、重症度との相関があるかもと報告。Tinel signは感度50%、特異度77%と報告があります。ちなみにPhalenは1分はあの体勢取らないとだめ→自戒を込めて。


 まあ、既存の所見が微妙なので、色々試される訳ですが、Flick signは簡単に言うと、痺れ症状が手を振ると楽になるといったものです。
 
 Flick signのYoutube動画はこちら。どうでもいいんですが、この人はどうしてこんなにどや顔なんでしょ?手を振ってるだけっすけど・・・まあ、イケメンですけどね・・・(笑)

www.youtube.com


 あとは母指球筋が萎縮するのでOK signがうまく出来なくなるtear drop signや、手根管を物理的に30秒間圧迫することでしびれが誘発されるかという所見も重要です。ちなみにこの圧迫手技の感度は64%、特異度は83%だとか。あとは手を頭より上に1分ほど挙上するHand Elevation testもあり、症状が出ればCTSが疑われるとのことです。

 このあたりはClinical Rational Eaminationにも掲載されています。

The Rational Clinical Examination: Evidence-Based Clinical Diagnosis (Jama & Archives Journals)

The Rational Clinical Examination: Evidence-Based Clinical Diagnosis (Jama & Archives Journals)

 

 

✓ 手根管症候群の身体所見を複数組み合わせて取ることが出来るようにしよう

 

 

麻疹ワクチンの歴史 History of meals vaccine in Japan

 某MLで拡散されていましたが、麻疹罹患患者が大規模コンサートに参加していたために、全国規模で麻疹が流行する可能性が懸念されています。流行したらジャスティン・ビーバー麻疹とでも言われてしまいそうですが・・・

 さて、麻疹に対する対策は各施設で行われていると思いますし、医療職はワクチン接種歴や罹患歴、抗体価確認などを行っているかもしれませんね。日本で重要なのは麻疹ワクチン定期接種時期と一時期やめていた時期があると言うことですね。

 本邦で最初に麻疹ワクチンが開始されたのは1966年でしたが、副作用の問題から1969年には高度弱毒生ワクチンに切り替えたりしながら、任意接種となっていました。麻疹ワクチンの定期接種が始まったのが1978年。それ以前の世代は定期接種はありませんが、流行しており多くの方が罹患歴があると考えられています。定期接種開始時期の接種率はおおむね90%を超えていたといわれています。

 1989年には麻疹・風疹・ムンプスの3種混合であるMMRワクチン接種が開始されますが、無菌性髄膜炎が多いことが指摘され、1993年(現在の23歳前後の方々)にはMMRワクチン接種が全面中止になっています。この辺り、何年経っても学ばないなあという感じもありますが・・・全面中止のみならず、その後のワクチン接種率も軒並み高くない状況で、現在ようやく80%を超える状況であり、本邦では未だ流行が懸念される状況は続いています。・・・ということで。皆様気をつけて診断しましょう。

 

  ✓ 麻疹ワクチン接種不充分時期の年齢層に注意