栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

NEJM Knowledge+:66歳女性 意識障害・高血糖

NEJMのKnowledge+です。
基本問題なり。

症例:66歳女性 意識障害・高血糖 

 66歳女性、2型糖尿病でインスリングラルギンとアスパル(毎食事)治療中の患者が家族に救急外来に運ばれた。息子が言うには、倦怠感が強くなり、興奮して腹痛を訴えているという。3日前からインスリンを使用していない。

 身体所見では、体温 37.0℃、HR 110bpm、BP 90/49mmHg、RR 22/min、BMI 29。混乱していて口腔粘膜は乾燥し、皮膚のturgorは低下していた。

 採血結果は以下の通り

f:id:tyabu7973:20160915064353p:plain

(本文より)

尿検査では尿ケトンがわずかに陽性。非造影の頭部CTは異常なしだった。

質問. この患者で最も考えられる診断はどれか

  1.   原発性副腎不全
  2.   糖尿病性ケトアシドーシス
  3.   高血糖高浸透圧症候群
  4.   尿崩症
  5.   エチレングリコール過剰

 

Key Learning Point

After initiation of a continuous intravenous insulin infusion in a patient who is in a hyperosmolar hyperglycemic state, the serum sodium level is expected to increase. - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1232/answer/E/?source=qowemail&inf_contact_key=17b5698a6684a395d9fc82ffb22e1fa91de10b4fde895a56d5112390edd38a2a#sthash.U24I63Zx.dpuf
高 血糖高浸透圧状態にある患者において持続静脈内インスリン注入の開始後、血清ナトリウムレベルが増加すると予想される。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1232/answer/E/?source=qowemail&inf_contact_key=17b5698a6684a395d9fc82ffb22e1fa91de10b4fde895a56d5112390edd38a2a#sthash.U24I63Zx.dpuf
患 者に害を引き起こす医原医療ミスを伝えるための適切な方法は、エラーのオープンで正直なアカウントを提供し、患者に正式に謝罪することです。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1015/answer/B/#sthash.vBmBG3vd.dpuf
慢 性閉塞性肺疾患の増悪と高炭酸ガス呼吸不全や肺炎の証拠で入院した患者は、気管支拡張薬治療、全身グルココルチコイド、およびフルオロキノロンまたはマク ロライド系抗生物質で治療すべきである。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/235/answer/A/?source=qowemail&inf_contact_key=5867c46d2a7fbaecc6edeccb8b5f2d7372c2badebfd1c8e5638e924cb4d6a052#sthash.X4dusLJi.dpuf
The gradual development of arm weakness and Horner’s syndrome in an older former smoker is most indicative of a diagnosis of an apical bronchogenic cancer known as a Pancoast’s tumor. - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/932/answer/A/?source=qowemail&inf_contact_key=8b697793f3c2f6a9d68dcdc1826ffea87b269461ef7de16dbcbb80275770fc7a#sthash.YmYXCOj2.dpuf

 意識障害、随時血糖>600mg/dl、AG正常、pH正常で最も考えられるのは高血糖高浸透圧症候群である。

回答 3. 高血糖高浸透圧症候群

解説:

 本患者の状態は高血糖高浸透圧症候群に特徴的である。一般的な症状は、他院・多尿・腹痛・脱力・意識状態の変化・昏睡である。患者は、しばしば頻脈や低血圧になる。採血検査では、随時血糖>600mg/dL、pH>7.35、HCO3>15mEq/L、血清浸透圧>320mOsm/kgとなり、尿中ケトンは少量出ることがある。無気力な患者で食事や水分がとれない場合には、腎前性腎不全になり、体液量減少は腎血流量を減少させ、尿糖が減少し血糖が上昇するという機序である。

 DKA患者では呼気がアセトン臭があったり、Kussmaul大呼吸(著明な代謝性アシドーシスを示唆)が見られたりする。検査での特徴は、尿中・血清ケトンが強陽性になることである。


 DKAエチレングリコール過剰もAG上昇を来す。尿崩症は多尿と高Na血症を来す。原発性副腎不全では血糖は低値となる。

Citations

  • Kitabchi AE et al. Hyperglycemic crises in diabetes. Diabetes Care 2003 Dec 25; 27 Suppl 1:S94.

  • American Diabetes Association. Standards of medical care in diabetes—2016. Diabetes Care 2015; 39 (Suppl. 1). 

 頻度が多いので!ケトンは弱陽性はmimickですね。