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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Therapeutics 2型糖尿病患者ではSU剤にDPP-4阻害薬を追加すると低血糖が増える

ACPJC 論文 BMJ 内分泌

ACPJCまとめ。
すご〜く当たり前なのですが、大事なのはその程度です。
NNH 17!はインパクトあります。

f:id:tyabu7973:20160922174517j:plain

Addition of dipeptidyl peptidase-4 inhibitors to sulphonylureas and risk of hypoglycaemia: systematic review and meta-analysis.

Salvo F, Moore N, Arnaud M, et al.

BMJ. 2016;353:i2231.

 

臨床上の疑問:
 2型糖尿病患者では、SU剤にDPP-4阻害薬を追加すると低血糖リスクが増えるか

Review範囲:
 組み入れ研究:2型糖尿病でSU剤やその他の経口血糖降下薬で治療中の50歳以上の成人で、DPP-4阻害薬(アログリプチン・リナグリプチン・サキサグリプチン・シタグリプチン・ビルダグリプチン)とプラセボの追加を比較した研究。
 ランダム化比較試験の長期フォローアップ研究は除外した。アウトカムは低血糖で、低血糖の定義はそれぞれの研究の定義に従った。
Review方法:
データベース:MEDLINE、SCOPUS、ISI Web of Science、Cochrane Central Register of Controlled Trials(2013年10月)、リファレンスリスト、Clinical Trials.gov(2014年11月)を検索し、ランダム化比較試験(RCT)を組み入れた。

研究:10RCTs(n=6546人、平均 55-75歳、男性が45-74%)が組み入れ基準を満たした。3つの研究がアログリプチン(6.5mg-25mg/日)、3つがリナグリプチン(5mg/日)、2つがビルダグリプチン(50-100mg/日)、1つがサキサグリプチン(2.5-5mg/日)とシタグリプチン(100mg/日)だった。
 SU剤には、グリメピリドが4研究、グリブリドが2研究、特に規定していなかった研究が4研究だった。

低血糖の定義:低血糖の定義は研究によって異なり、6研究では定義を決めていなかった。

研究の質:全ての研究が二重盲検でフォローアップ期間は6か月未満が9研究(平均24週)、76か月フォローした研究が1つだった

結果:
 SU剤内服患者にDPP-4阻害薬を追加することで、DPP-4阻害剤の用量によらず低血糖リスクが増える

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(本文より引用)

結論:
 2型糖尿病患者では、SU剤にDPP-4阻害薬を追加すると低血糖リスクが増える

 DPP-4阻害薬はSU剤と違って、食事摂取による糖や脂肪がトリガーになってDPP-4が活性化されるため単剤使用では低血糖は来しにくいと言われています。その頻度<1%。(BMJ. 2012;344:e1369.

 また、DPP-4阻害薬は腎機能障害などの合併症のある患者や心不全患者でも比較的使用しやすい薬剤。

 今回一番の注目は低血糖の頻度で、なんと言ってもNNH 17です。これはかなり多い数字と言えます。試算すれば何千人という低血糖を作り出すことに・・・でも実際にDPP-4阻害薬が発売されてから低血糖増えたなあとは思いませんが・・・

 SU内服中の患者にDPP-4を追加する時には減量しましょうね〜と。

✓ 2型糖尿病患者では、SU剤にDPP-4阻害薬を追加すると低血糖リスクが増えるので減量を