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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Therapeutics 脳梗塞・TIA後のアスピリン二次予防は早期再発予防と重症度軽減に繋がる

ACPJCまとめ。
「アスピリン 嗚呼アスピリン アスピリン」
みたいな感じでしょうか。

f:id:tyabu7973:20161010215857j:plain

Effects of aspirin on risk and severity of early recurrent stroke after transient ischaemic attack and ischaemic stroke: time-course analysis of randomised trials.

Rothwell PM, Algra A, Chen Z, et al.

Lancet. 2016;388:365-75.

臨床上の疑問:
 脳梗塞・TIA後のアスピリン二次予防効果は時間によって異なるのか?
 急性期梗塞のアスピリン早期開始は重症度軽減に効果があるのか?

スコープ:
 脳梗塞やTIA後アスピリンやジピリダモールに対する二次予防の研究が組み入れられた。また、急性期脳梗塞患者に対するアスピリンと非アスピリンを比較した研究を組み入れた。アウトカムは、脳梗塞再発、障害度、致死的な脳梗塞が含まれた。

方法:
 Antithrombotic Trialists' Collaboration database/Cochrane Collaboration database/システマティックレビューが2016円1月まで評価されRCTが検索された
 16のRCTの個人患者データを抽出し、二次予防の解析では1人以上の対象患者データも抽出。
・11研究(n=9635人、平均58-68歳、58-86%が男性)がアスピリン単独群 vs 抗血小板薬なし群
・12研究(n=15778人)が、アスピリン単独群またはアスピリン+ジピリダモール群 vs 抗血小板薬なし群
・7研究(n=9437人、平均63-68歳、男性 58-86%)がアスピリン+ジピリダモール vs アスピリン単独
・3研究(男性 51-63%)がアスピリン vs コントロールで発症48時間以内の比較で。そのうち2研究(n=40090人)は、患者個人のデータを用いており、もう1つは報告されたデータ(n=441人)を用いた。
 解析はITT解析が用いられた。

結果:
 アスピリン単独 vs コントロール群の二次予防の結果は以下。

f:id:tyabu7973:20161010215906j:plain

 ジピリダモール+アスピリン併用は、12週以降の再発を有意に減少させる(OR 0.76:0.63-0.92)が、0-12週では有意差がつかない(OR 0.90:0.65-1.25)
 3つの急性期脳梗塞のRCTの結果では、早期アスピリン治療の利益は、14日までの脳梗塞再発を減らすが、ベースラインの脳卒中重症度によって効果は異なる
 軽症脳梗塞(n=8561人)では、0.90% vc 1.7%でRRR 49%:25-66%
 中等症脳梗塞(n=23608人)では、1.4% vs 2.2%でRRR 34%:2-55%
 重症脳梗塞(n=4407人)では、3.0% vs 2.7%でRRR +10%:-23-56%

(本文より引用)

結論:
 脳梗塞・TIA後では、二次予防としてのアスピリン単独内服は早期の脳梗塞再発を減らし、重症度も低減させる
 急性期脳梗塞後では、早期アスピリンのメリットはより軽症なほど大きい

 二次予防の表をざっくり眺めると、12週超えたらダメですねえ。急性期に使うことの効果をこうやってきちんと明示してくれたのは嬉しいです。軽症の方が効果あるよ〜とか、重症度軽減するよ〜とかね。
 12週以上だと効かないの?という疑問については、治療効果が出る時間の問題なのでは?と考察されていました。
 また、重症度の違いは、重症の方が心原性塞栓が多いことと関連するのでは?と考察されていました。

✓ 脳梗塞・TIAの二次予防としてのアスピリンは早期治療および軽症患者で効果が高い