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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

NEJM Knowledge+:60歳男性 左膝関節の疼痛・腫脹

Knowledge+ NEJM 整形

NEJMのKnowledge+です。
また風邪・・・

症例:60歳男性 左膝関節の疼痛・腫脹

 60歳男性が、7日前からの左膝の疼痛・腫脹を主訴に来院された。これはカンボジア観光から帰ってきた後に出現した症状だった。痛みは歩行で悪化し、安静で改善する。膝関節のロッキング現象なし。前年に、起床後15分以内には改善する朝のこわばりを両下肢に自覚していた。最近の外傷やけが、病気罹患歴はない。


 身体診察では、体温 36.9℃、BP 132/72mmHg、HR 88bpm、RR 17回/分だった。左膝関節液貯留があるが、熱感や発赤はなし。左膝は内反変形があり、伸展・屈曲時には疼痛によって可動域制限がある。関節裂隙の疼痛は認めない。残りの筋骨格系診察は正常である。

 膝関節の単純X線では、著明な関節液と関節裂隙の狭小化を認め、骨棘が膝蓋大腿関節・脛骨大腿関節に認められた。

 関節穿刺が施行され、関節液検査では、黄色透明の関節液で、白血球数が900/mm3(正常 4500-11000)、リンパ球 92%、好中球 8%だった。

質問. この患者の診断はどれか

  1.   半月板断裂
  2.   化膿性関節炎
  3.   結晶沈着性関節症
  4.   リウマチ性関節炎
  5.   変形性関節症

 

Key Learning Point

After initiation of a continuous intravenous insulin infusion in a patient who is in a hyperosmolar hyperglycemic state, the serum sodium level is expected to increase. - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1232/answer/E/?source=qowemail&inf_contact_key=17b5698a6684a395d9fc82ffb22e1fa91de10b4fde895a56d5112390edd38a2a#sthash.U24I63Zx.dpuf
高 血糖高浸透圧状態にある患者において持続静脈内インスリン注入の開始後、血清ナトリウムレベルが増加すると予想される。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1232/answer/E/?source=qowemail&inf_contact_key=17b5698a6684a395d9fc82ffb22e1fa91de10b4fde895a56d5112390edd38a2a#sthash.U24I63Zx.dpuf
患 者に害を引き起こす医原医療ミスを伝えるための適切な方法は、エラーのオープンで正直なアカウントを提供し、患者に正式に謝罪することです。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1015/answer/B/#sthash.vBmBG3vd.dpuf
慢 性閉塞性肺疾患の増悪と高炭酸ガス呼吸不全や肺炎の証拠で入院した患者は、気管支拡張薬治療、全身グルココルチコイド、およびフルオロキノロンまたはマク ロライド系抗生物質で治療すべきである。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/235/answer/A/?source=qowemail&inf_contact_key=5867c46d2a7fbaecc6edeccb8b5f2d7372c2badebfd1c8e5638e924cb4d6a052#sthash.X4dusLJi.dpuf
The gradual development of arm weakness and Horner’s syndrome in an older former smoker is most indicative of a diagnosis of an apical bronchogenic cancer known as a Pancoast’s tumor. - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/932/answer/A/?source=qowemail&inf_contact_key=8b697793f3c2f6a9d68dcdc1826ffea87b269461ef7de16dbcbb80275770fc7a#sthash.YmYXCOj2.dpuf

 非炎症性の関節液で関節液中白血球が200-2000/mm3の場合、最も考えられる診断は変形性関節症である

回答 5. 変形性関節症

解説:

 患者の症状は典型的な変形性関節症のフレアである。変形性関節症の主症状は、活動で悪化し安静で改善する疼痛である。より進行した症例では、疼痛は持続的になり安静時や夜間にも起こる。朝のこわばりは30分以内に改善するのがOA患者の特徴だが、中には非活動後のこわばりの再発が報告されGelling現象と呼ばれている。

 変形性関節症で最も頻度が多い関節は膝関節・股関節・DIP関節・母指CM関節である。罹患膝関節の診察では正常かもしれないが、関節裂隙に沿って疼痛や可動域制限、摩擦音、関節液があることが多い。主要なレントゲン所見は、関節腔の狭小化、軟骨下の硬化、骨棘、軟骨下嚢胞がある。


 急性および亜急性の膝関節炎の鑑別は幅広い。症状、身体所見、X線所見が変形性関節症のフレアを示している場合には、関節穿刺は診断確定目的もしくは化膿性関節炎や結晶沈着性関節症などの他疾患除外の為に行う。

 変形性関節症の関節液検査は、典型的には非炎症性で、白血球数は200-1000/mm3で、リンパ球有意で、多核白血球は<25%である。対称的に、化膿性関節炎では外観が膿性だったり、白血球数が50000-150000/mm3、好中球有意の炎症性所見となる。

 同様に、結晶沈着性関節症(痛風や偽痛風)では、炎症性の関節液所見を呈し、尿酸ナトリウム結晶やピロリン酸カルシウム二水和物結晶が認められる。変形性関節症の患者では、罹患関節の軟骨内にピロリン酸カルシウム二水和物の沈着があり偽痛風のリスクにはなるが、関節液所見は炎症性になる。

 リウマチ性関節炎は、関節液が炎症性でない場合には考えにくい。リウマチ性関節炎の朝のこわばりは通常30分以上持続し、DIP関節を巻き込むことはない。典型的には四肢の中小関節を複数巻き込むのが特徴である。

 半月板断裂は非炎症性の関節液をきたすが、最近の外傷歴が無かったり、膝の浮動性やロッキング、ギブウェイが無い場合には考えにくい。患者の病歴が重要であり、身体診察では半月板断裂を正確に予測するのは困難で、MRIはしばしば臨床的に有意でない半月板損傷を同定してしまう。

Citations

  • Felson DT. Clinical practice. Osteoarthritis of the knee. N Engl J Med 2006 Feb 24; 354:841.

  •  

    Bennell KL et al. Management of osteoarthritis of the knee. BMJ 2012 Aug 1; 345:e4934.

 基本知識ですが、おさらいです。良い復習になりました。