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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

症例:BMJ 24歳女性の腹痛

case report今回もBMJから。
さあ、分かりますでしょうか?

症例:24歳女性の腹痛
Abdominal pain in a 24 year old woman
BMJ 2016;355:i5264

 24歳女性が腹痛・腹部膨満を主訴に外科病棟に入院した。血性下痢症状が先週から出現し、徐々に増悪傾向だった。臨床的には、脱水があり、体温 38.6度だった。HR 124bpmの頻脈があり、白血球増多(14000/L)を伴った。
 腹部X線(仰臥位)は以下。

f:id:tyabu7973:20161111010825j:plain

(本文より)

質問. 診断は

 

回答:中毒性巨大結腸症 Toxic megacolon

解説:

 腹部X線は中毒性巨大結腸症に矛盾しない画像所見である。横行結腸(M)は炎症により二次的に壁肥厚、腸管拡張(8.5cm)を認めていた。下行結腸(T)もまた壁肥厚と浮腫を伴っている。ハウストラ襞の浮腫も確認することができ、thumb printingとも呼ばれる。
 中毒性巨大結腸症は、急性の炎症性非閉塞性の大腸拡張で、全結腸もしくは部分結腸の症状である。よくある原因としては、潰瘍性大腸炎、Crohn病、偽膜性大腸炎、虚血である。症状は腹痛と腹部膨満、下痢症状である。診断のためには、結腸は6cm以上の拡張が必要とされ、全身症状として発熱、頻脈、白血球増多をきたしている。
 これらの基準は、1969年にJalanらによって提唱された。中毒性巨大結腸症は危険な徴候であり、初期治療は輸液、電解質補正、抗菌薬、ステロイドである。穿孔リスクがあり、致死的な経過をたどることもあり厳重な経過観察が重要である。治療にも関わらず悪化した場合には結腸切除が必要になる。

f:id:tyabu7973:20161111010835j:plain

(本文より)