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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Therapeutics 慢性便秘に対する各薬剤の効果

ACPJCまとめ。
便秘に対するレビュー。

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Comparison of efficacy of pharmacological treatments for chronic idiopathic constipation: a systematic review and network meta-analysis. 

Nelson AD, Camilleri M, Chirapongsathorn S, et al. 

Gut. 2016 Jun 10.

臨床上の疑問:
 慢性特発性便秘(CIC)の治療に用いられる薬剤の効果はどの程度か?

スコープ:
 FDAで慢性便秘症に認可されたもしくはPhase 2B or 3で評価した薬剤とプラセボを比較したRCTが組み入れられた。試験は、4週間以上の治療期間があり、Rome ⅡまたはⅢ基準を満たした慢性機能性便秘症患者で18歳以上の成人が対象だった。
 アウトカムは、週3回以上の自発的排便(CSBM)と週の自発的排便回数がベースラインから1回以上増加

方法:
 本レビューは2015年3月までに、MEDLINE、EMBASE/Excerpta Medica、Scopus、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)、ClinicalTrials.gov、リファレンスリストでRCTが検索された。製薬会社や筆者に確認された。
 21のRCT(n=9188人)が組み入れ基準を満たした。プルカロプリド(本邦未承認)で9RCT(2219人)
、リナクロチド(近日アステラスより発売予定)で3RCT(1405人)、テガセロド(本邦未承認)で2RCT(1006人)、ルビプロストン(アミティーザ)で3RCT(301人)、ベルセトラグ(本邦未承認)で1RCT(294人)、エロビキシバット(本邦未承認)で1RCT(143人)、ビサコジル(テレミンソフトⓇ)で1RCT(239人)、ピコスルファート塩(ラキソベロンⓇ)で1RCT(229人)だった。
 フォローアップは4-24週。質が高いものが10研究、中等度の質は10研究、質の低いものは1研究であり、GRADEシステムで評価された。

結果:
 ネットワークメタ解析では、プルカロプリド、ベルセトラグ、ビサコジル、ピコスルファート塩はプラセボと比較して両方のアウトカムを改善した。
 エロビキシバットはベースラインから週1回以上の排便回数の増加を改善した。
 ベルセトラグは、プルカロプリドやテガセロドと比較して、ベースラインより週1回以上排便回数は増えたが、週3回以上の排便は増加しなかった。

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(本文より引用)

結論:
 慢性便秘患者において、プルカロプリド、ベルセトラグ、ビサコジル、ピコスルファート塩はプラセボと比較して自発排便回数を増加させる。

 慢性便秘は人口の最大20%が罹患する一般的な病気であるにも関わらず、治療選択におけるエビデンスが不十分です。現行の管理方法は、ステップアップ法で、市販薬や浸透圧下剤、分泌性下剤、蠕動作動薬を組み合わせる方法です。

 結局、慢性便秘は、ヘテロな病態であり、腸管移動時間の低下、正常、腸管共同運動の障害などが関与しているようです。

✓ 慢性便秘患者で効果のある薬剤はプルカロプリド、ベルセトラグ、ビサコジル、ピコスルファート塩である