栃木県の総合内科医のブログ

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NEJM Knowledge+:22歳女性 重度の皮疹

NEJMのKnowledge+です。
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症例:22歳女性 重度の皮疹

 22歳女性が、救急外来に新規発症の皮膚びらんと口唇の荒れを主訴に来院した。症状は、2日前に始まり悪化傾向だった。最近の内服歴では、新規にてんかんと診断され、抗てんかん薬の内服が開始されていた。


 身体診察では、体温 40.5℃、HR 110bpm、BP 140/90mmHgだった。身体所見では、重度のびらんが口腔粘膜や眼球結膜に認められた。顔面・頸部・体幹・四肢には、広範囲に紅斑を認め、非分枝状の赤色丘疹と水疱形成、薄暗い皮膚変化が認められた。

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(本文より引用)

 皮膚病変は体表面積の40%を占め、リンパ節腫脹を認めなかった。

質問. この患者の診断はどれか

  1.   中毒性表皮壊死(TEN)
  2.   薬物性過敏症症候群(DRESS)
  3.   急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)
  4.   固定薬疹
  5.   Stevens Johnson症候群

 

Key Learning Point

After initiation of a continuous intravenous insulin infusion in a patient who is in a hyperosmolar hyperglycemic state, the serum sodium level is expected to increase. - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1232/answer/E/?source=qowemail&inf_contact_key=17b5698a6684a395d9fc82ffb22e1fa91de10b4fde895a56d5112390edd38a2a#sthash.U24I63Zx.dpuf
高 血糖高浸透圧状態にある患者において持続静脈内インスリン注入の開始後、血清ナトリウムレベルが増加すると予想される。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1232/answer/E/?source=qowemail&inf_contact_key=17b5698a6684a395d9fc82ffb22e1fa91de10b4fde895a56d5112390edd38a2a#sthash.U24I63Zx.dpuf
患 者に害を引き起こす医原医療ミスを伝えるための適切な方法は、エラーのオープンで正直なアカウントを提供し、患者に正式に謝罪することです。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1015/answer/B/#sthash.vBmBG3vd.dpuf
慢 性閉塞性肺疾患の増悪と高炭酸ガス呼吸不全や肺炎の証拠で入院した患者は、気管支拡張薬治療、全身グルココルチコイド、およびフルオロキノロンまたはマク ロライド系抗生物質で治療すべきである。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/235/answer/A/?source=qowemail&inf_contact_key=5867c46d2a7fbaecc6edeccb8b5f2d7372c2badebfd1c8e5638e924cb4d6a052#sthash.X4dusLJi.dpuf
The gradual development of arm weakness and Horner’s syndrome in an older former smoker is most indicative of a diagnosis of an apical bronchogenic cancer known as a Pancoast’s tumor. - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/932/answer/A/?source=qowemail&inf_contact_key=8b697793f3c2f6a9d68dcdc1826ffea87b269461ef7de16dbcbb80275770fc7a#sthash.YmYXCOj2.dpuf

 最近新規開始薬剤があり、発熱・眼球・粘膜変化、薄暗い皮膚変化が体表面積の30%を超える場合の最も考えられる診断は中毒性表皮壊死(TEN)である

回答 1. 中毒性表皮壊死(TEN)

解説:

 中毒性表皮壊死(TEN)は、極めて合併症や死亡率の高い重度の皮膚反応である。TENのキーになる所見は、発熱・粘膜症状・倦怠感・体表面積の>30%を超える水疱を伴った薄暗い皮膚変化である。Stevens-Johnson症候群はTENと同様の所見だが体表面積<10%、SJS-TENは10-30%とされている。これらの診断に潜在的に関連する薬剤としては抗菌薬・古典的抗てんかん薬(カルバマゼピン・フェニトイン・フェノバルビタール)、ラモトリギン、アロプリノール、NSAIDs、抗レトロウイルス薬がある。

 固定薬疹の最もよくある所見は、特定の薬剤を内服後に、弧発性で、皮膚や粘膜の楕円形青紫パッチが、解剖学的に同じ部位である露光部位に再発するといった所見である。複数のパッチが発生することもあるが稀である。


 薬物性過敏症症候群(DRESS)は、重度の皮膚病変で、発熱・顔面腫脹・紅斑性皮膚炎が特徴的である。患者は多くの場合リンパ節腫脹を呈する。採血異常では、末梢血中の好酸球増多・異型リンパ球・肝機能の上昇が特徴的である。注目すべきは、これらDRESSに認められる所見は、SJS-TENにも見られ、診断は臨床判断による。皮疹中心部が薄暗くなることは、皮膚の壊死や剥離を疑わせ、SJS-TENに一般的である。粘膜病変はDRESSでも起こるが、SJS-TENよりは軽度である。疑わしい場合の皮膚生検は臨床医を助け、正しい診断へと導いてくれる。全層表皮壊死はSJS-TENに診られる所見である。


 急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)は、薬剤曝露から24-72時間程度の早い経過で起こることが一般的で、多膿疱を伴う紅斑が特徴的である。粘膜病変はほとんど起こらない。

Citations

  • Stern RS. Clinical practice. Exanthematous drug eruptions. N Engl J Med 2012 Jun 29; 366:2492.

  • Fein JD and Hamann KL. Images in clinical medicine. Stevens-Johnson syndrome. N Engl J Med 2005 Apr 22; 352:1696.

  • Schwartz RA et al. Toxic epidermal necrolysis: part I. Introduction, history, classification, clinical features, systemic manifestations, etiology, and immunopathogenesis. J Am Acad Dermatol 2013 Aug; 69:173.e1.

  • Schwartz RA et al. Toxic epidermal necrolysis: part II. Prognosis, sequelae, diagnosis, differential diagnosis, prevention, and treatment. J Am Acad Dermatol 2013 Aug; 69:187.e1. 

 最近見たのでおさらいになりました。実際鑑別難しいデスよね。