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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

NEJM Knowledge+:83歳男性 呼吸音減弱

NEJMのKnowledge+です。
明日は当直なり〜。ちょっと良い話がありました。

症例:83歳男性 呼吸音減弱

 83歳男性で、高血圧、慢性腎臓病既往患者が意識障害と39.5度の高熱で受診。血圧 104/64mmHg、HR 144bpm、RR 25/min。
 初期の検査では、WBC 26500(4500-11,000)。尿検査は、亜硝酸塩陽性、白血球エラスターゼ陽性、WBC 50/hpf、グラム染色でグラム陰性桿菌が認められた。
 広域抗菌薬が開始された。血管確保が困難で、左鎖骨下静脈から複数回試みた上でCVカテが留置された。ポータブルレントゲンで位置を確認した。
 2時間後、輸液蘇生と内科治療の継続にも関わらず、低血圧が持続し、血圧は65/35mmHgだった。さらに、酸素需要は増加し、非リザーバーマスクで2Lから15Lまで増加した。
 身体所見では、気管は右側に偏位し、左側の呼吸音が減弱、左胸部の前方後方の打診での濁音を認めた。

質問. この患者の診断はどれか

  1.   穿刺脱気
  2.   ポータブル胸部X線
  3.   胸部造影CT
  4.   緊急開胸
  5.   広径胸腔ドレーン留置

 

Key Learning Point

After initiation of a continuous intravenous insulin infusion in a patient who is in a hyperosmolar hyperglycemic state, the serum sodium level is expected to increase. - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1232/answer/E/?source=qowemail&inf_contact_key=17b5698a6684a395d9fc82ffb22e1fa91de10b4fde895a56d5112390edd38a2a#sthash.U24I63Zx.dpuf
高 血糖高浸透圧状態にある患者において持続静脈内インスリン注入の開始後、血清ナトリウムレベルが増加すると予想される。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1232/answer/E/?source=qowemail&inf_contact_key=17b5698a6684a395d9fc82ffb22e1fa91de10b4fde895a56d5112390edd38a2a#sthash.U24I63Zx.dpuf
患 者に害を引き起こす医原医療ミスを伝えるための適切な方法は、エラーのオープンで正直なアカウントを提供し、患者に正式に謝罪することです。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1015/answer/B/#sthash.vBmBG3vd.dpuf
慢 性閉塞性肺疾患の増悪と高炭酸ガス呼吸不全や肺炎の証拠で入院した患者は、気管支拡張薬治療、全身グルココルチコイド、およびフルオロキノロンまたはマク ロライド系抗生物質で治療すべきである。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/235/answer/A/?source=qowemail&inf_contact_key=5867c46d2a7fbaecc6edeccb8b5f2d7372c2badebfd1c8e5638e924cb4d6a052#sthash.X4dusLJi.dpuf
The gradual development of arm weakness and Horner’s syndrome in an older former smoker is most indicative of a diagnosis of an apical bronchogenic cancer known as a Pancoast’s tumor. - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/932/answer/A/?source=qowemail&inf_contact_key=8b697793f3c2f6a9d68dcdc1826ffea87b269461ef7de16dbcbb80275770fc7a#sthash.YmYXCOj2.dpuf

 緊張性血胸の管理では、罹患肺に対する広径胸腔ドレーンでの緊急減圧が必要である。

回答 5. 広径胸腔ドレーン留置

解説:

 米国の医師は、毎年500万件を超える中心静脈カテーテルを留置している。カテーテル留置に伴うリスクは、感染症・機械的および血栓的合併症である。最も一般的な機械的合併症として、動脈誤刺、血腫、気胸、血胸などがあり5-19%程度で合併する。内頚静脈カテーテルおよび鎖骨下静脈カテーテルでは機械的合併症は同リスクである(鎖骨下静脈留置は、わずかに血気胸のリスクが高い)。

 本症例では、気胸というよりは緊張性血胸の徴候や症状を呈している。気胸よりも血胸を疑うキーとなる所見は、打診での濁音である。この所見は胸腔内に液体貯溜がある所見で共鳴している。


 緊張性血胸が疑われる場合には、緊急減圧が必要である。呼吸困難の悪化、低血圧、呼吸音減弱、打診での濁音、気管の偏位は、胸部X線を確認する前に治療すべきで、診断の遅れを回避すべきである。第2肋間で広径針で迅速に減圧できる気胸と異なり、血胸は新鮮な血液を適切に排出する為に、広径の胸腔ドレーン(>36Fr)留置を必要とする。針での減圧は、緊張生理を引き起こしている血液の適切なドレナージにならない。更に、広径チューブは、出血率の測定を可能にし、胸膜表面に留置することで止血効果も期待できる。


 更なる画像検査は、潜在的に救命処置を遅らせるだけである。外科的開胸は、24時間以内に1500ml/日以上のドレナージがされた場合や持続的でコントロール不能な出血があった場合に考慮する。

Citations

  • McGee DC and Gould MK. Preventing complications of central venous catheterization. N Engl J Med 2003 Mar 21; 348:1123. 

  • Merrer J et al. Complications of femoral and subclavian venous catheterization in critically ill patients: a randomized controlled trial. JAMA 2001 Aug 10; 286:700.

  • Mowery NT et al. Practice management guidelines for management of hemothorax and occult pneumothorax. J Trauma 2011 Feb 11; 70:510.

 血胸対応はさすがにそれほどはないですね〜。勉強になりました! 

ステップ ビヨンド レジデント 6 救急で必ず出合う疾患編 Part 3

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