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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Therapeutics 市中肺炎患者では臨床的に安定して5日で抗菌薬を中止しても通常ケアと同等

ACPJC JAMA 呼吸器 感染症 薬剤 論文

ACPJCまとめ。
抗菌薬治療期間についてのエビデンスは今後も様々欲しいところです。

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Duration of antibiotic treatment in community-acquired pneumonia: a multicenter randomized clinical trial.

Uranga A, Espan ̃ a PP, Bilbao A, et al. 

JAMA Intern Med. 2016;176:1257-65.

臨床上の疑問:
 成人市中肺炎の入院患者では、臨床的に安定した後5日後に抗菌薬を中止するのと通常ケアは非劣性かどうか?

デザイン:
 ランダム化比較試験、非劣性試験

割り付け:隠蔽化

盲検化:盲検(データ解析者も)

フォローアップ期間:30日

セッティング:スペインの4カ所の教育病院

患者:
 市中肺炎で入院した平均65歳、男性63%の成人312人が対象。過去に肺炎既往なく、咳・発熱・呼吸困難・胸痛の1つ以上の症状がある症例。
 除外基準は、HIV・慢性免疫不全・施設入所者・急性期病院もしくは緩和ケア病棟からの退院後14日以内・入院30日以内の抗菌薬投与・市中肺炎の起因微生物が通常ではない場合・抗菌薬長期投与が必要・胸腔ドレーン必要など。

介入:①48時間以上体温≦37.8℃、②市中肺炎関連の不安定サイン(sBP≦90mmHg、HR>100bpm、RR>24/min、酸素飽和度<90% or PaO2 <60mmHg)が1個以下といった基準を満たした患者の抗菌薬を5日で中止するIDSA/ITSガイドライン通り群(n=162人)と通常ケアで抗菌薬治療期間は主治医次第(n=150人)とに割り付けられた。
 抗菌薬の種類はガイドラインに基づいて主治医が選択した。

アウトカム:
 プライマリアウトカムは、10日・30日の時点での臨床的改善(肺炎徴候や症状の改善)と症状(CAP質問指標で18項目90点満点)
 セカンダリアウトカムは、抗菌薬治療期間。

患者追跡率:95%、ITT解析

結果:
 平均抗菌薬治療期間は早期終了群で5日、通常ケア群で10日だった。主要な結果は以下。

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(本文より引用)

結論:
 成人市中肺炎の入院患者では、臨床的に安定した後5日後に抗菌薬を中止するのと通常ケアは非劣性だった。

 まあ、非劣性ですからどちらでも良いということなんですけどね。一応IDSAの基準通りだと5日も有りと思っていましたが、実際にやってみて変わらないという実績データはとても心強いですね。実践あるのみです!
 ただ、データ解釈は気をつけなくてはいけません。今回の症例ではその60%がPSI class Ⅰ〜Ⅲの比較的軽症例です。高齢者がそれ程多くない?あとは、80%の患者がキノロンを使用しています!ガーン。おい!スペイン!みたいな勢いです。軽症にキノロン使うなや〜と凄んでみます。
 まあ、結局一律に画一化したマニュアル化医療じゃなくて、常に考え悩んでいく姿勢が大事!と勝手に結論しました。