栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

Dトレ(ポリファーマシー連載12月号):Lower is better!?

連載第9回目です。

今月も生みの苦しみでした。
ひとまず年内最後の原稿もなんとか出させて頂きました。

今回は経口血糖降下薬がテーマです。

ご興味ある方は「治療」か「薬局」どちらかに掲載されておりますので是非本文をお読み下さい。 
薬局では、地震の総括を行っていました。

薬局 2016年 12 月号 [雑誌]

薬局 2016年 12 月号 [雑誌]

 

 

症例) 91歳女性

 91歳女性。自宅で長女さんと二人暮らし。30年来の2型糖尿病があり、数年前から当院に定期通院されるようになった。今回は、朝起きたらぼーっとしていて、いつもと様子が異なるということで、心配した長女さんに連れられて救急外来を受診された。

 既往歴は、60歳前後に健診で血糖高値を指摘され2型糖尿病と診断された。高血圧も同時期から指摘され内服薬を処方されている。2年前に急性心不全で入院したが、その後症状はなく安定している。糖尿病の合併症としては、神経症と思われる両下肢足趾末梢の痺れ症状はあるが、網膜症や腎症の合併は指摘されていない。

 ADLはほぼ自立し、普段はデイサービスを週3回ほど利用し、カラオケが好きだという。その他アレルギーはなく、アルコール摂取歴や喫煙歴もない。最近時々めまいが出たり、物忘れが目立つようになったと長女から指摘されている。外来主治医の医師からは血糖コントロールが非常に良いですよとほめられている。

 バイタルは、意識JCS 1-1、血圧 138/74mmHg、脈拍 75/分 整、身長156cm、体重 67kg、BMI 27.5。

 身体所見では特記すべき事項ないが、両足指先に痺れがあり、振動覚や触圧覚の低下は認めなかった。血糖を測定したところ32mg/dLで、ややぼーっとしていたため50%ブドウ糖液 40ml静注を行ったところ、速やかに意識は清明となり、15分後には血糖も182mg/dLまで上昇した。採血で確認したHbA1cは6.1%、eGFR 72ml/min、尿蛋白陰性だった。

 現在の内服薬は以下の通り。
 
・アマリールⓇ 3mg 1錠/分1 朝食後    40.1円
・グラクティブⓇ 50mg 1錠/分1 朝食後  138.2円
・アクトスⓇ 15mg 1錠/分1 朝食後     127.8円
・キネダックⓇ 50mg 3錠/分3 毎食前   336.3円
・メチコバールⓇ 500μg 3錠/分3 毎食後   51.3円
・アムロジンOD 10mg 1錠/分1 朝食後   73.1円

合計 766.8円/日

 

質問)この患者さんの処方について正しいものはどれか。1つ選べ。
A. 外来で経過観察が望ましい
B. 低血糖は心血管イベントのリスクになる
C. この患者さんにメトホルミンを処方することは禁忌である
D. この患者さんに対するアクトスⓇはよい適応である
E. 糖尿病性神経障害に対するキネダックⓇは神経症状悪化を抑制する効果がある

Key Learning Points!)
・糖尿病の血糖コントロール目標値を個別化できるようにしよう
・糖尿病コントロールの真の目標を話し合おう
・それぞれの薬剤特性を理解し副作用の少ない処方を目指そう


そして!
治療のテーマはついに大上段。
このテーマに連載もポリって・・・
やっぱり若干食傷気味でしょうか笑

治療 2016年 12 月号 [雑誌]

治療 2016年 12 月号 [雑誌]