栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Therapeutics 脳卒中もしくはTIA既往の有無に関わらず心房細動患者ではエドキサバンはワーファリンと同等の効果で安全性は良い

ACPJCまとめ。
DOAC関連の研究がたくさん出てきていますね。
時代かなあ・・・Fundは製薬会社ですが・・・

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Outcomes with edoxaban versus warfarin in patients with previous cerebrovascular events: findings from ENGAGE AF-TIMI 48 (Effective Anticoagulation with Factor Xa Next Generation in Atrial Fibrillation–Thrombolysis in Myocardial Infarction 48).

Rost NS, Giugliano RP, Ruff CT, et al; ENGAGE AF-TIMI 48 Investigators.

Stroke. 2016;47:2075-82.

臨床上の疑問:
 脳卒中やTIA既往の有無で、心房細動患者に対するエドキサバンの効果と安全性がワーファリンと比べてどうか?

デザイン:
 ランダム化比較試験のサブグループ解析

割り付け:隠蔽化

盲検化:盲検(患者・臨床医・データ収集者・データ解析者)

フォローアップ期間:平均2.8年

セッティング:46ヵ国1393センター

患者:
 21歳以上の12か月以内に心房細動と診断された患者21105人(平均72歳、男性 62%)。CHADS2 ≧2点、抗凝固療法が計画されている症例が対象
 除外基準は、過去の脳出血、重度の腎機能障害(CCr<30ml/min)、出血高リスク群、抗凝固の適応外、抗血小板薬重複。

介入:エドキサバン 60mg/日(n=7035人)、ワーファリンをINR 2.0-3.0に用量調節群(n=7036人)、エドキサバン 30mg/日(n=7034人)は解析から除外された。

アウトカム:
 プライマリアウトカムは、脳卒中や全身性塞栓、主要な出血の複合アウトカム。
 サブグループ解析は、脳卒中やTIA有り群、無し群で評価された。

患者追跡率:100%、ITT解析

結果:
 主要な結果は以下。主要な出血は、脳梗塞・TIA既往のないエドキサバン単独群のみで有意に減少するが、全体としては相対危険減少は同様だった。

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(本文より引用)

結論:
 脳卒中やTIA既往の有無に関わらず、心房細動患者に対するエドキサバンの効果はワーファリンと比べて同等だった。エドキサバンはワーファリンと比較して、脳卒中・TIA既往に関わらず出血を減らした

 今回効果は同等で、安全性はポジティブな結果が出ています。その他では、拮抗薬についても述べられていましたが、拮抗薬無しで出血少ないなら、拮抗薬ができたら更に減るのでは?と考察。更にはエドキサバンの拮抗薬も近いうちに出るでしょうとのことです。

 費用対効果もよく話題に出ますが、出血アウトカムにかかる患者費用と社会的費用などが算出されると、DOACの方が費用負担が良いという費用対効果の研究は複数出ています。DOACを一方的に批判するばかりではダメでしょうね。それぞれメリット・デメリットがあることを提示した上で意志決定プロセスサポートをしていく必要がありますね。