栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

今週のカンファ:PFMTとは/HINTSが重要/腰椎穿刺後の安静

カンファネタです。
なかなか追っつかないなあ。
これもそろそろ外注かな・・・笑

PFMTとは? What's the PFMT?

 Pelvic Floor Muscle Training:PFMT=骨盤底筋トレーニングは、別名ケーゲル体操ともいいます。ケーゲル体操は、1940年代、アメリカ人医師のケーゲル先生によって開発された体操で、当初女性の尿失禁予防ケアを目的に開発されています。
 その後、子宮脱や直腸脱、便失禁などの改善のエビデンスも集積されつつあります。詳細は以下。

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http://oshiri-kenko.jp/chiryou/chiryou_04.phpより引用)

 UptodateにもPFMTについての記載がありました。どうやるべきかと効果について抜粋してみます。
■どうやるべきか:
 ・1日に3回程度、週に3−4回程度の頻度が推奨。
 ・毎回、8-12回筋肉を収縮させ、6-8秒は保持することを推奨
→あら、上記のサイトとは異なりますねえ。
 ・3-4か月はルーチンワークとして継続が必要。
■効果:
 ・咳や笑い、くしゃみなどで尿を漏らす「腹圧性尿失禁」患者の尿漏れを減少
 ・切迫性尿失禁患者の尿意切迫
 ・排ガスや排便を制御
 ・骨盤臓器脱の治療
 ・前立腺肥大や前立腺癌患者の術後の尿漏れ治療

 ✓ PFMTを適切に指導できるようになろう


 

HINTSが重要 HINTS is important

 めまい診療で重要なのは?と聞かれ、古典的にはめまいの性状で分類する方が多いのではないでしょうか?いわゆる回転性、非回転性など。でも、実際には性状はあまり当てにならないことが分かってきています。そもそも再現性がないとか、安易に鑑別ができないなど。
 そこで、最近言われているのが「HINTS」になるわけです。これは、3つの所見の複合と言われ、中枢性めまいを否定する為に開発されています。すなわち

・HIT(Head Impulse Test):左右の回旋時から正中に戻すReversed HIT検査もある
・Nystagmus(方向交代性眼振):垂直方向性眼振もある
・Skew deviation(眼球彷徨):眼球の垂直偏位

上記3つの所見が全て陰性であれば、感度はほぼ100%に近いと言われ、これにMRI所見を加えたHINTS plusでは過去の検証では感度100%だったと報告されています。Neurology® 2014;83:169–173


Skew deviation.mpg

  

✓ めまいの中枢病変除外にはHINTSを!

 

 

腰椎穿刺後の安静 Post lumbar bed rest

 腰椎穿刺後の安静ってどうしてますか?実は安静のエビデンスはないのはご存じでしょうか?
 このテーマで何度もCochraneのメタ解析が行われていますが、2016年に出たシステマティックレビュー(Posture and fluids for preventing post-dural puncture headache)でも、安静の効果は証明されていないどころか、長時間安静群の方が頭痛が出やすいことが明らかになっています。

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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26950232


 重症の頭痛は増えないようですが、全ての頭痛は安静群の方が増えています。皆様の施設ではどうでしょう?安静を勧めてますか?

  ✓ 腰椎穿刺後の頭痛予防に安静は勧められない