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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

症例:BMJ 若年女性の体重減少、寝汗

BMJ 症例報告 消化器

case report今回はBMJです。
さあ、どうでしょうか?

症例:25歳女性 体重減少、寝汗
BMJ 2016;355:i5781

 25歳女性がかかりつけ医に対して、体重減少と寝汗を主訴に受診された。身体診察では、頚部リンパ節腫脹を認め、胸部X線は以下の通りだった。X線所見は?鑑別診断は?

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(本文より引用)

質問. 診断は

 

回答:Hodgkinリンパ腫

解説:

 胸部X線では、全縦隔腫瘤を認め、大動脈肺周囲の軟部組織に変化が認められており、縦隔リンパ節腫脹に矛盾しない所見だった。鑑別診断として、結核、サルコイドーシス、リンパ腫などが考えられた。CT検査で所見が確認され、結節硬化型Hodgkinリンパ腫が頸部リンパ節生検で確定した。

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(本文より引用)

 胸部X線では縦隔軟部組織(A and B)が認められ、縦隔脈管構造(黒線)とは別のラインを認めた。鑑別診断としては、甲状腺腫、胸腺腫、奇形種、デルモイド腫瘍などがあるが、最も一般的なのは縦隔リンパ節腫脹である。

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(本文より引用)

 25歳女性の縦隔リンパ節腫脹の最も一般的な原因は、結核・サルコイドーシス・リンパ腫だろう。縦隔腫瘤は、腫瘤による圧迫や隣接臓器への浸潤によって臨床症状を来す。本患者では頸部リンパ節生検によって、結節硬化性Hodgkinリンパ腫の診断がついた。Hodgkinリンパ腫の治療は、CTや核医学検査によって評価される病変の広がりや生検結果によって判明する型によって異なる。
  予後の評価の為には併存疾患も評価する必要がある。治療には、放射線治療、化学療法、サルベージの化学療法、造血幹細胞移植などがある。これらの方法の成功率は疾患の段階によって変化するが、治療の主目的は完全寛解(CR)である。
 本患者では、外照射療法とあわせて、アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカルバシン化学療法で8週間治療を行い、完全寛解を達成した。