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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Therapeutics 腎動脈狭窄症に対する経皮的腎動脈形成術と内科治療の効果は同等である

ACPJCまとめ。
これは以前読んだ気がしますが、一応確認。

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Comparative effectiveness of management strategies for renal artery stenosis: an updated systematic review. 

Raman G, Adam GP, Halladay CW, et al. 

Ann Intern Med. 2016;165:635-49.

臨床上の疑問:
 動脈硬化性の腎動脈狭窄症(Atherosclerotic renal artery stenosis:ARAS)患者では、経皮的腎動脈形成術(percutaneous transluminal renal angioplasty with stent replacement:PTRAS)と内科治療の効果比較は?

Review範囲:
 成人のARAS患者においてPTRASと内科治療の比較をした研究で、6ヶ月以上のアウトカムを報告している研究。組み入れ患者は、2種類以上の降圧薬を内服しても血圧がコントロール出来ず、カテゴリーG3/G4のCKDを合併した症例。
 除外基準は、腎移植患者、悪性腫瘍、過去の血行再建術、大動脈瘤または腸骨動脈瘤の修復歴

 アウトカムは、全死亡、腎代替療法(RRT)、腎機能障害、心血管イベント、血圧コントロール、副作用とした。

Review方法:
 これは2006-2007年のreviewのUpdate版である。MEDLINE、EMBASE/Excerpta Medica(2007-2016年)、Cochrane Central Register of Controlled Trials and Cochrane Detabase of Systematic reviews(2015年)、WHO International Clinical Trials Register Platform、US FDA database、ClinicalTrials.gov、最近のシステマティックレビュー、最近のNational Conference(2012-2014)を、英語ベースで、RCTと非ランダム化した比較試験で10名以上のnがある研究を検索した。専門家やメーカーにも問い合わせされ、1993-2007年までに発行されたシステマティックレビューは組み入れられた。
 7RCT(n=2178人、年齢 52-931/研究)、8非RCT(n=1828)が組み入れ基準を満たした。RCTの平均期間は1-5年。非比較試験で副作用が報告されているものは組み入れられた。

結果:
 研究毎の不均一さが目立ったため、メタ解析は行われなかった。死亡率、腎代替療法、腎機能、心血管イベント、血圧コントロールが以下の通り。RCTの統合結果は以下。非RCT結果は様々で結論が出せなかった。

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(本文より引用)

結論:
 ARASに対するPTRASと内服治療を比較したエビデンスは限られていたどちらか一方の治療を推奨できるほどのエビデンスはなかった

 まあ、正直ほとんど研究が無いってことですかね。結局腎機能と血圧コントロールしか見てないってことですかね。長期のメジャーアウトカムなしにガンガンやられているというのも衝撃でした・・・
 血圧は-2.3mmHg(-4.4 to -0.2mmHg)って・・・。最大で4mmHgで最小だと0.2mmHgしか減らないですって説明したらやる人いないっすよね。なかなか難しいですねえ。