栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Therapeutics 成人喘息患者におけるビタミンD3は重症の増悪は減らすが症状は改善しない

ACPJCまとめ。
年内最後という形で。

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Vitamin D for the management of asthma. 

Martineau AR, Cates CJ, Urashima M, et al. 

Cochrane Database Syst Rev. 2016;9: CD011511.

臨床上の疑問:
 小児と成人の喘息患者では、ビタミンD3製剤のサプリメントを追加することは、プラセボと比較して重症喘息発作や症状を改善するか。

Review範囲:
 成人および小児の臨床診断の喘息患者ビタミンD3製剤とプラセボを12週間以上比較した研究を組み入れた。除外基準は、骨関連のアウトカムのみを評価した研究。プライマリアウトカムは、重症の喘息発作(重症ステロイド治療を要する)。他のアウトカムは、入院を必要とするアウトカム、救急外来受診、致死的な増悪、予測FEV1.0、喘息症状(Asthma Control Test)、重度の有害事象。

Review方法:
 Cochrane Airways Group Trial Register(MEDLINE、EMBASE/Excerpta Medica、Cochrane Central Register of Controlled Trials、PsycINFO、CINAHL、AMEDデータベース、respiratory journals、会議録のアブストラクトなど)を2016年1月まで検索した。5つの臨床研究レジストリー
、製薬会社ウェブサイト、リファレンスリストが検索され、二重盲検のランダム化比較試験が検索された。
 7つのRCTが小児で(n=435人、1-18歳、56%が少年)、2つが成人で(n=658人、平均40-48歳、64%が女性)組み入れ基準を満たした。全てのRCTは経口ビタミンD3製剤で用量や治療スケジュールは研究によって異なった。平均治療期間は6か月。9RCTは全て患者・家族・アウトカム評価者に盲検化されていた。7研究が適切に隠蔽かされており、6つがデータ解析が適切だった。

結果:
 主な結果は以下。致死的な喘息発作は両群ともに認められなかった。

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(本文より引用)

結論:
 成人の喘息患者では、ビタミンD3製剤のサプリメントを追加することは、プラセボと比較して重症喘息発作を減らすが、症状を改善しない。

 この知見はなんとなく耳に挟んではいたのですが、今回きちんとした検証を見たのは初めてでした。使用されているビタミンD3製剤は全てコレカルシフェロールだそうで、これは日本では発売されておりません。

 機序としては、ビタミンD3製剤の感染予防的な機序が考えられていて、抗ウイルス・抗菌・抗炎症活性については複数報告があるものの、臨床効果は様々報告されています。ちなみに副作用として危惧されている高カルシウム尿症は、2人に出ていましたが、1人はプラセボ群でした。

 今後研究デザインの良いものが複数進行中とのことで、stay tuned!だとか。