栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Therapeutics 慢性の重症機能性便秘に対する電気鍼は自発排便を改善する

ACPJCまとめ。
今年も宜しくお願いします!

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Acupuncture for chronic severe functional constipation: a randomized, controlled trial. 

Liu Z, Yan S, Wu J, et al. 

Ann Intern Med. 2016 Sep 13.

臨床上の疑問:
 慢性の重症機能性便秘に対する電気鍼はアウトカムを改善するか?

方法:
 デザイン:ランダム化sham比較試験
 隠蔽化:隠蔽
 盲検:盲検化されている(患者・アウトカム評価者・統計学者

 フォローアップ期間:20週間(8週治療++12週フォローアップ)
 セッティング:中国の15センター
 患者:18-75歳の1075人の機能性便秘患者(平均47歳、76%女性、Roma Ⅲ基準該当)が対象。完全な自発排便(CSBMs)が週2回以下で3ヶ月以上、過去に鍼治療歴が無く、過去2週間以内にレスキュー以外の便秘薬使用が無い患者。
 除外基準には、多疾患に続発する便秘、他の重篤な疾患、血液凝固異常、抗凝固薬使用、心臓ペースメーカー使用。
 介入:伝統的な経穴に対する電気鍼(鍼間電流を含む鍼)群 536人非経穴に浅く刺すsham電気鍼群 539人
 両群ともに8週間で28セッションの鍼治療を行った。
 アウトカム:プライマリアウトカムは、治療期間中のCSBMsの変化。他のアウトカムには、フォローアップ期間中のCSBMs、週3回以上のCSBMs、便性状(Bristol Stool)、QOL(便秘のQOLアンケート調査)、有害事情
 患者フォローアップ:95%、ITT解析

結果:
 主な結果は以下。電気鍼群で自発排便が週あたり1回増加。1週間に3回以上の自発排便がある割合が、電気鍼群 38%、sham鍼群 14%で、NNT 5の効果だった。電気鍼治療は、sham鍼治療と比較して、有害事象に差は無かった。

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(本文より引用)

結論:
 慢性機能性便秘患者では、電気鍼治療がsham鍼と比較して、完全な自発排便を増加させた。

 現状、機能性慢性便秘には繊維などの食事療法に加えて薬物療法が推奨されていますが、それでも排便困難であれば代替療法も必要とされています。
 今回の効果として、NNT 5というのは凄いですね。ちなみに電気鍼とはこんな感じです。

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http://hidehari.com/images/img-08.jpgより引用)

 これが日本で実践できるでしょうか?最近鍼治療のポジティブデータがどんどん出ますね。なかなか興味深いですし、ほとんどのコントロールがsham鍼を使用しています。ただ、まあ便がでるために毎回鍼治療を継続的に行うかはどうかは・・・笑