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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

NEJM Knowledge+:9か月男児 乳児健診

Knowledge+ NEJM 小児 皮膚

NEJMのKnowledge+です〜。
これは両親何も気にしなかったってことでしょうかねえ?

症例:9か月男児 乳児健診

 9か月男児が乳児健診にやってきた。児と両親は最近州を越えて引っ越してきて、あなたのクリニックを受診した。両親は特に心配事はなく、生まれてから健康だった。発達遅延はなく、成長曲線にのっていた。
 身体診察では、顔面に大きな樹枝状のピンク斑を認め、母曰く生まれつきのものとのことで、成長とともに増大傾向だった。掻痒や疼痛はなく無症候の様子だった。神経学的所見は異常なし。

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質問. 本患者の潜在的な合併症はどれか

  1.   緑内障、視野欠損、痙攣
  2.   血管線維腫、過誤腫、上衣下巨細胞腫瘍
  3.   小脳失調、免疫不全
  4.   軟部肉腫、偽関節、高血圧
  5.   軟部および四肢筋肥大、消化管出血

 

Key Learning Point

After initiation of a continuous intravenous insulin infusion in a patient who is in a hyperosmolar hyperglycemic state, the serum sodium level is expected to increase. - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1232/answer/E/?source=qowemail&inf_contact_key=17b5698a6684a395d9fc82ffb22e1fa91de10b4fde895a56d5112390edd38a2a#sthash.U24I63Zx.dpuf
高 血糖高浸透圧状態にある患者において持続静脈内インスリン注入の開始後、血清ナトリウムレベルが増加すると予想される。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1232/answer/E/?source=qowemail&inf_contact_key=17b5698a6684a395d9fc82ffb22e1fa91de10b4fde895a56d5112390edd38a2a#sthash.U24I63Zx.dpuf
患 者に害を引き起こす医原医療ミスを伝えるための適切な方法は、エラーのオープンで正直なアカウントを提供し、患者に正式に謝罪することです。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1015/answer/B/#sthash.vBmBG3vd.dpuf
慢 性閉塞性肺疾患の増悪と高炭酸ガス呼吸不全や肺炎の証拠で入院した患者は、気管支拡張薬治療、全身グルココルチコイド、およびフルオロキノロンまたはマク ロライド系抗生物質で治療すべきである。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/235/answer/A/?source=qowemail&inf_contact_key=5867c46d2a7fbaecc6edeccb8b5f2d7372c2badebfd1c8e5638e924cb4d6a052#sthash.X4dusLJi.dpuf
The gradual development of arm weakness and Horner’s syndrome in an older former smoker is most indicative of a diagnosis of an apical bronchogenic cancer known as a Pancoast’s tumor. - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/932/answer/A/?source=qowemail&inf_contact_key=8b697793f3c2f6a9d68dcdc1826ffea87b269461ef7de16dbcbb80275770fc7a#sthash.YmYXCOj2.dpuf

 三叉神経分布領域のポートワイン母斑は、Sturge-Weber症候群を示唆している。

回答 1. 緑内障、視野欠損、痙攣

解説:

 本患者の母斑は、ポートワイン母斑として知られる血管奇形である。ポートワイン母斑は、生下時に存在し、触診で白くなる大きなピンク〜赤色斑である。体のどこに存在しても良いが、顔面や頸部が最も起こりやすい部位で、一般的には正中線を横切らない。ポートワイン母斑は年齢と友に大きくない、より色調が暗くなる。ほとんどが健常人でおこるものだが、Sturge-Weber症候群やKippel-Trenaunay症候群などの遺伝症候群と関連している可能性もある。

 本患者のポートワイン母斑の部位(三叉神経領域)は、Sturge-Weber症候群を想起させる。これは、稀な神経皮膚症候群で、三叉神経V1-2領域のポートワイン母斑や眼球や頭蓋内の血管奇形が特徴である。Sturge-Weber症候群の小児歯、頭痛、痙攣、視野欠損、緑内障、発達遅延、様々な神経認知機能低下を来す。ポートワイン母斑の治療の為に、パルスレーザー治療が使用されることがあるが、特異的かつ絶対的な治療はない。

 Kippel-Trenaunay症候群は、ポートワイン母斑を特徴としているが、典型的には顔面では無く四肢に出現する。Kippel-Trenaunay症候群は、リンパ管・軟部組織・骨異常に関連している。深部静脈血栓症、肺塞栓症、消化管出血は既知の合併症である。


 神経線維腫症は、しばしば体幹・四肢に見られるカフェ・オ・レ斑として知られる色素沈着・黄斑が特徴である。合併症には、末梢神経線維腫・軟部組織肉腫・骨異常・高血圧・神経学的異常(痙攣・水頭症・末梢神経障害等)である。

 毛細血管拡張性運動失調症(Ataxia-Telangiectasia)は、毛細血管拡張症に関連する神経失調症候群であり、特に顔面・胸部・腕に発症する。進行性小脳失調・免疫不全・悪性腫瘍リスク増加に関連する。

 結節性硬化症は、顔面の血管線維腫と体幹に見られる低色素沈着斑(灰色の斑)と関連している。結節性硬化症の合併症には、過誤腫・上衣下巨細胞腫瘍・痙攣・認知障害・心血管および眼科異常がある。

Citations

  • Craig LM and Alster TS. Vascular skin lesions in children: a review of laser surgical and medical treatments. Dermatol Surg 2013 Aug; 39:1137. 

  • Sudarsanam A and Ardern-Holmes SL. Sturge-Weber syndrome: from the past to the present. Eur J Paediatr Neurol 2014 May; 18:257.   

 このあたりは国家試験以来、なかなか出会うことが少ない領域の話題ではありますね。乳児健診もしばらく関わってないなあ・・・

母斑と母斑症 (皮膚科臨床アセット)

母斑と母斑症 (皮膚科臨床アセット)