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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Therapeutics COPD患者でベクロメタゾン/フォルモテロールにグリコピロニウムを追加すると肺機能が改善するか

ACPJCまとめ。
グリコピロニウム=シーブリⓇですね。
フォルモテロール/ベクロメタゾンは本邦未承認の様ですが、要はICS/LABAですねえ。
ICS/LABA+LAMAの効果か・・・

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Single inhaler triple therapy versus inhaled corticosteroid plus long-acting beta2-agonist therapy for chronic obstructive pulmonary disease (TRILOGY): a double- blind, parallel group, randomised controlled trial. 

Singh D, Papi A, Corradi M, et al. 

Lancet. 2016; 388:963-73.

臨床上の疑問:
 COPD患者で、フォルモテロール(FF)+ベクロメタゾン(BDP)にグリブリドを追加することの効果と安全性は?

方法:
 デザイン:ランダム化比較試験/TRILOGY
 隠蔽化:隠蔽
 盲検:盲検化されている(患者・調査者・
臨床センター・スポンサー
 フォローアップ期間:52週間
 セッティング:14ヵ国159医療機関
 患者:40歳以上の1368人のCOPD患者(平均年齢 64歳、76%男性)、吸入後FEV1.0<50%、FEV1/FVC比<0.7、COPD Assessment test(CAT)≧10、ベースラインのDyspnea Index focalスコア≦10、過去1年間に1回以上の中等度以上のCOPD増悪既往、吸入薬としてICS/LABA・ICS/LAMA・LABA/LAMA・LAMA単剤を2ヶ月以上、2週間のBDP/FF run in periodに耐えうる方が組み入れられた。
 除外基準は、run-in period中もしくは組み入れ4週間前に増悪した患者、3剤併用療法中(ICS/LABA/LAMA)、喘息、アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎、心血管疾患、検査異常、不安定な合併症。
 介入:加圧式定量噴霧式吸入による3剤併用(BDP 100μg・FF 6μg・GB 12.5μg)群 687人と、2剤併用(BDP 100μg・FF 6μg)群 681人を比較
 アウトカム:プライマリアウトカムは、26週間後の肺機能変化(吸入前および2時間後のFEV1.0)と呼吸困難感(Transitional Dyspnea Index:TDI)。
 セカンダリアウトカムは52週後の肺機能の反応性、健康状態の変化(George's Respiratory Questionaire:SGRQ)、増悪、副作用。
 患者フォローアップ:86%、ITT解析

結果:
 主な52週間後の結果は以下の通り26週間後のプライマリアウトカムも同様だった。3剤併用療法群で重篤な副作用が1例、2剤併用療法群には認めなかった。

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(本文より引用)

結論:
 COPD患者では、ベクロメタゾン/フォルモテロールにグリコピロニウムを追加すると肺機能が改善した

 まあ、まさにサロゲートアウトカム!といったところでしょうか。肺機能は有意に改善するとして、これが臨床的にどの程度意味があるかは微妙なところですね。一応、自覚症状のスコアのTDIスコアは変化なく、中等度以上の発作回数は有意に減っていますが、そちらについてのNNTはやや少なめではあります。今回のポイントは、3剤を1つの吸入器で吸入していることで、これによるアドヒアランス向上が期待できることでした。ただ、この効果が証明される研究デザインでは無いですね。
 
 TRILOGYっていうとスターウォーズのDVD boxを思い出してしまいます笑。ICSはCOPD患者の肺炎を増やすことが知られていて、LAMA/LABAはどうなのか?と言う部分も結構重要です。今後はLAMA/LABAとの検証も重要になります。