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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

論文:Cross-Sectional 日本人高齢者の社会的繋がりと血糖コントロール

Association between Social Relationship and Glycemic Control among Older Japanese: JAGES Cross-Sectional Study
日本人高齢者の社会的繋がりと血糖コントロール

PLOS ONE DOI:10.1371/journal.pone.0169904 January 6, 2017
【目的】
 本研究は、社会的サポートやインフォーマルな繋がり、社会参加が高齢者の血糖コントロールと関連するかを検証した
【方法】
 この人口ベースの横断研究のデータは、年1回の健診データとリンクしている2010年のJAGES(Japan Gerontological Evaluation Study)からデータ抽出された。65歳以上の長期療養状態にない9554人を解析した。多変量ロジスティック回帰モデルを用いて、社会的サポート、インフォーマルな繋がり、社会参加が血糖コントロールに与える効果を検証した。
 アウトカムはHbA1c≧8.4%とした。
【結果】
 全体の1.3%がHbA1c≧8.4%だった。良好な血糖コントロールは、1か月に1-4回友人に会うことと有意に関連していた。年数回友人に会う群と比較するとOR 0.51(0.30-089)、スポーツをしている群と比較してもOR 0.50(0.26-0.97)と有意であり、これは複数因子を調整後も同様の結果だった。週2回以上友人と会うこと、社会的サポートを受けること、結婚していることは、良好な血糖コントロールと関連しなかった

f:id:tyabu7973:20170128120649j:plain

(本文より引用)
【結論】
 友人と時々会うことは、高齢者の良好な血糖コントロールと関連した。

【批判的吟味】
・まずは論文のPECOからみてみますね。
P:JAGESのデータから抽出された身体的・認知的障害のない9554人
E/C:社会的サポート(感情的・道具的)・インフォーマルな繋がり(友人と会う回数)・社会参加(様々な場への参加)
O:HbA1c≧8.4%
T:横断研究
・女性 54.3%、80歳以上は全体の13.2%、HbA1c≧8.4%は1.3%でした。代表制の問題はあるでしょうねえ。
インフォーマルな繋がりが友人と会うだったんですね。そして、それが結果が出ているというのが興味深いです。
・人と会う回数は4段階に分けていて、①週2回以上、②1-4回/月、③年数回、④なしとなっていましたが、③が19.6%、④が6.7%とかなり孤独が伺えるデータにもなりました。
・あくまで聞き取り調査なので、本当に会っているかは分かりませんね笑。
・社会参加は、的なものから、企業・ボランティア・高齢者クラブ・宗教・スポーツ・近所・趣味など多く聴取していました。
・歩行時間とかうつとかBMI、喫煙、アルコールなども調査しています。
・何にせよ交絡因子の排除は難しいとは思いますし、因果関係も分かりませんが、最も興味深かったのはJ-shapeを描いていることです。要はたくさん会いすぎてもダメということでしょうか。考察には会いすぎると食べたり飲んだりするよねと考察笑。ただ食べる時間は一人より長いですね。
HbA1cは残念ながらサロゲートアウトカムではありますが、QOLなどの指標との関連とか、入院を減らすなどの患者アウトカムが改善するのが明らかになるとよいですよね。
【個人的な意見】
 それにしても素晴らしいなあと思いました。個人的にお友達の先生がこういった素晴らしい研究をされているのを見ると、すごく刺激になりますね。ブログでちまちま書いている場合じゃないよなあと思いながら読んでおりました。やっぱり着眼点大事!頑張ります。

✓ 友人と月1-4回程度会うことは、高齢者の良好な血糖コントロールと関連した