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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Therapeutics 造影剤腎症を予防するための水分補給以外の薬剤

ACPJC 論文 腎臓 薬剤

ACPJCまとめ。
造影剤関連腎症の対応ですね。
結構色々出てるんだなあ、と感心しました

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Comparative effectiveness of 12 treatment strategies for preventing contrast-induced acute kidney injury: a systematic review and Bayesian network meta-analysis. 

Su X, Xie X, Liu L, et al. 

Am J Kidney Dis. 2016 Oct 1.

臨床上の疑問:
 造影剤使用の手技を受ける患者では水分補給に加えて、造影剤腎症(CI-AKI)を予防する薬剤はどれか?

Reviewスコープ:
 診断的もしくは治療的手技で造影剤を使用する成人において、薬剤と水分補給を他の薬剤+水分補給もしくは水分補給のみと比較した研究を組み入れた。
 アウトカムは造影剤腎症で48-72時間以内もしくは次の採血時に評価したCr値が>0.5mg/dLもしくは25%上昇した場合と定義した。

Review方法:
 MEDLINE、EMBASE/Excerpta Medica、Cochrane Central Register of Controlled trials.govが検索され、150RCTs(n=31631人、平均年齢 67歳、68%男性)が選択基準を満たした。
 治療は、12種類に分類され、全てで水分補給は行われていた。12種類は、以下の通り。①ナトリウム利尿ペプチド、②ビタミン類、③高用量スタチン(シンバスタチン 40-80mg、ロスバスタチン 20-40mg、アトルバスタチン 40-80mg)、④低用量スタチン(シンバスタチン 10-20mg、ロスバスタチン 10mg、アトルバスタチン 10-20mg)、⑤プロスタグランディン、⑥テオフィリン、⑦Nアセチルシステイン(NAC)、⑧フェノルドパム、⑨重炭酸ナトリウム、⑩重炭酸ナトリウム+NAC、⑪高用量スタチン+NAC、⑫水分補給のみ
 バイアス評価によると、ランダム化時のバイアスリスクが低いRCTが53%、割り当て隠蔽のバイアスリスクが低いRCTが54%、患者・医療者盲検化のバイアスリスクが低いRCTが49%、結果評価のバイアスリスクが低いRCTが59%だった。
 直接的および間接的な治療比較データはBayesianのネットワークメタ解析を用いて評価された。

結果:
 ネットワークメタ解析で、造影剤腎症に影響した薬剤は以下の通り。

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(本文より引用)

結論:
 造影剤腎症を予防する薬剤として水分補給以外に追加する薬剤は複数存在した。高用量スタチン+NACや高用量スタチンのみが最もリスク減少させる手技だった。

 高用量スタチン有用ですねえ。ちなみにステロイドのスの字もないですね。日本で良く用いられるメイロンは重炭酸+NACでHR 0.62(0.40-0.88)という結果でした。低用量スタチンはランクインしなかったですねえ。
 現時点では輸液が予防のゴールドスタンダードですが、今後ここは塗り変わる可能性がありそうです。