読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

今週のカンファ:漆喰腎/腸内細菌とビタミンK/線条体内包梗塞

カンファ今年もゆるりとやってきます。
少しずつ知識を増やしていきたいですね!
まだまだ不十分な事が多いですが・・・

漆喰腎 Motar kidney

みなさん、言葉は知っていますでしょうか?
初めての方はこちらをご覧下さい。

http://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/wp-content/uploads/2015/03/mortar-kidney.png
(http://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/wp-content/uploads/2015/03/mortar-kidney.png
より引用)

 今回言葉として初めて聞いた訳ですが、調べてみるとかなり稀な現象の模様です。結論からすると、腎結核の慣れの果てと覚えれば良いのかなと思います。腎結核の結果、尿管が完全に閉塞し、腎実質全体が破壊・萎縮・消退させられて、完全に不活動性になり、ここに漆喰様物質が沈着するものを指すのだそうです。 
 実際には、結核性膿腎症という状態から膿が濃縮されて腎全体が石灰化されることが条件になります。この場合、肺外結核としての病態を呈している可能性があり、尿中結核菌検出などを要することもあります。

 ✓ 漆喰腎は肺外結核の一亜型


 

腸内細菌とビタミンK Enteric bacteria and Vit K

 ビタミンKには主に2種類あります。所謂脂溶性ビタミンで、内因性はないのがポイントで、植物で作られるビタミンK1と細菌や動物から作られるビタミンK2に分類されます。例えば、ほうれん草やブロッコリー、キャベツ、海藻などに含まれるのがビタミンK1(フィロキノン)になります。蛇足ですが、納豆に含まれるのはメナキノン−7という異なるビタミンKではあります。
 抗菌薬投与中に、ワーファリンの効果が強まることは有名ですが、これは、抗菌薬が腸内細菌叢を破壊しビタミンKが不足することにより、ワーファリン効果が遷延するという形です。それ以外には、食事由来のビタミンKの欠乏や閉塞性黄疸などによるビタミンK欠乏も同様の機序を来すことに注意が必要です。
 総胆管結石嵌頓による胆管炎で、禁食・補液・抗菌薬投与の状態にある方などが最もハイリスクということでしょうか。

✓ 臨床におけるビタミンK欠乏機序を押さえよう 

 

線条体内包梗塞(SCI) Striatocapsular infarction

 線条体内包梗塞(SCI)は、1984年にBladinらによって提唱された皮質下梗塞の一臨床病型で、主にレンズ核線条体動脈領域の梗塞を指しますが、ポイントは大きさが最大で径20-30mmを呈するという点です。

 臨床症状も単なる内包症状のみならず、皮質症状を有するのが特徴で、心原性塞栓もしくはA to Aによる動脈原性塞栓などの塞栓機序の報告が多いのもポイントです。ただし、最近ではアテローム硬化性病変(特にM1領域)によるものも報告されており、必ずしも塞栓機序のみではないといわれてきています。

 結局めちゃでかいBADはSCI考えましょう的な感じでしょうか。

f:id:tyabu7973:20170203000646j:plain
http://radiologykey.com/wp-content/uploads/2016/02/B9780702034480000505_f07-59a-9780702034480.jpgより引用)

  ✓ 超でかいBADの時はSCIを考慮。機序は塞栓。