栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

今週のカンファ:失語は話さないと気付かれない/Fitz-Hugh Kurtis症候群の画像所見/脂肪塞栓症

カンファ来年度はまた少し変わるかもな。
自らの立ち位置があまり上になり過ぎないようにやりたいんだけどなあ。無理かなあ・・・

失語は話さないと気付かれない No talking, No diagnose aphasia

 最近続いたので・・・急性発症の失語に気付いてもらえるかどうかは、普段の会話量によるよね?という話題。

 朝起きて、下まで降りてくる、ご飯を食べる、新聞を読む。一連の動作は出来ています。奥さんが話しかけても、頷くのみ。そのまま午前中を過ごし、お昼ご飯も食べる。その時もあまり会話が無いまま時間が過ぎ、たまたま夕方気付かれる・・・
 あくまでフィクションですが、それに近いことがしばしば起こるなあと思っています。いつからか分かりますか?と聞くと「普段からあまり話す人じゃないので・・・」と。

 まあ、私はベラベラ良く喋る人間なので、気付かれないことはまずありませんが・・・笑

 ✓ 失語は話さないと気付かれない


 

Fitz-Hugh-Kurtis症候群の画像所見 Imaging of Fitz-Hugh-Kurtis syndrome

 Fitz-Hugh-Kurtis症候群(FHK)って全体的にすっきりしない疾患ですよねえ。腹腔鏡で見ると・・・

http://1.bp.blogspot.com/-CsDvx4q4RHo/Updi4t6fczI/AAAAAAAABLE/jedUrbOWToQ/s1600/Fitz-Hugh-Curtis+Syndrome-5.jpg

http://1.bp.blogspot.com/-CsDvx4q4RHo/Updi4t6fczI/AAAAAAAABLE/jedUrbOWToQ/s1600/Fitz-Hugh-Curtis+Syndrome-5.jpgより引用)

 実際にはこんな世界が拡がっているんでしょうが、画像ではそうはいきません。今回、画像で明らかにFHKって人を経験しました。造影でダイナミックCTを撮像するのがポイントです。以下に画像を提示してみます。

http://www.eymj.org/ArticleImage/0069YMJ/ymj-53-753-g001-l.jpg
(http://www.eymj.org/ArticleImage/0069YMJ/ymj-53-753-g001-l.jpg
より引用)
個人的には、ここで示すような肝表面の造影効果をイメージしていましたが、実際はそれだけではないようです。

https://synapse.koreamed.org/ArticleImage/0068KJR/kjr-8-40-g003-l.jpg

https://synapse.koreamed.org/ArticleImage/0068KJR/kjr-8-40-g003-l.jpgより引用)

 実際には、上に示すような”肝実質”にも造影早期の濃染像が見られることが結構あるようです。遅延造影を来すこともあり、その場合には炎症に伴う繊維化変化を表しています。

✓ FHKでは肝実質に造影効果が見られることがある

 

脂肪塞栓症 Fat embolism syndrome

 脂肪塞栓症は時折鑑別に挙げることはありますが、なかなかファミリアルではないので、診断基準を中心に簡単にまとめておこうかと。

 よく言われている診断基準として、Gurdの診断基準J Bone Joint Surg Br 1970; 52: 732-7.)がよく用いられる。これは、大基準と小基準からなっており、

■大基準
 ・呼吸器症状(肺水腫等)
 ・中枢神経症状(意識障害)
 ・点状出血(腋窩・結膜等)
■小基準
 ・頻脈
 ・発熱
 ・網膜塞栓
 ・黄疸
 ・腎障害
 ・ヘモグロビン低下
 ・血小板減少
 ・血沈亢進
 ・脂肪滴血症/喀痰中の脂肪滴
大項目1つと小項目4つ以上で脂肪塞栓症と診断する

というものですが、かなりザックリし過ぎてますね。所見もどれも非特異的なもの過ぎで、果たして・・・という感じですね。そもそも感度・特異度もよく分かってません

 頻度は骨折患者や入院の必要な外傷患者の0.3-1.3%程度と言われ、受傷後72時間以内が多く、致死率も高い病態です。多発骨折ほどリスクが高く、一番多いのは大腿骨骨幹部骨折ですが、よくある大腿骨頚部骨折でも起こり得ます。
 結局、骨折によって血液中に混入した脂肪組織が全身にトラップされて症状が出るというのが機序であり、最も多いのは肺の脂肪塞栓で、右室負荷・肺高血圧・低酸素を来す模様です。これに、意識変容、点状出血の出現が重要になるということですね。血液検査では色々ありますが、結局血小板減少が重要になります。脂肪滴血症は特異度は低い模様です。

http://4.bp.blogspot.com/-xRNasrDnTek/TcXTwBd-ALI/AAAAAAAAAJ4/YiToj50nmK4/s1600/FES.jpg

http://4.bp.blogspot.com/-xRNasrDnTek/TcXTwBd-ALI/AAAAAAAAAJ4/YiToj50nmK4/s1600/FES.jpgより引用)
 
 ちなみにCT画像所見はこんな感じ

http://static1.1.sqspcdn.com/static/f/654826/24810929/1398830837130/041-14+Figure+1.jpg?token=kax7bOpai8%2Fc71hEGfoPsS8pDxg%3D

http://static1.1.sqspcdn.com/static/f/654826/24810929/1398830837130/041-14+Figure+1.jpg?token=kax7bOpai8%2Fc71hEGfoPsS8pDxg%3Dより引用)

疑わないとですねえ・・・

 

  ✓ 脂肪塞栓症が適切に鑑別に挙げられるように