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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Therapeutics 70歳以上の高齢者では帯状疱疹ワクチンが帯状疱疹を減らす

ACPJCです。
さて、日本でもそのうち打てるようになるでしょうか?

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Efficacy of the herpes zoster subunit vaccine in adults 70 years of age or older. 

Cunningham AL, Lal H, Kovac M, et al; ZOE-70 Study Group. 

N Engl J Med. 2016;375:1019-32.

臨床上の疑問:
 70歳以上の高齢者で、帯状疱疹サブユニットワクチンはプラセボと比較して帯状疱疹を減らすか?帯状疱疹後神経痛を減らすか?

方法:
デザイン:ランダム化比較試験(ZOE-70試験)と、それまでの50歳以上の試験であるZOE-50試験とのプール解析が行われ、帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛に対する効果が評価された。

隠蔽化:あり

盲検化:患者・医療者・アウトカム評価者

フォローアップ期間:平均3.7年で、ZOE-70のワクチンコホートを一部修正

セッティング:アジア・オーストラリア・ヨーロッパ・ラテンアメリカ・北アメリカの18ヵ国

対象者:14816人の70歳以上の高齢者(平均76歳、55%女性)。除外基準は免疫不全状態、過去の帯状疱疹既往、過去の帯状疱疹や水痘ワクチン接種。

介入:グリコプロテインEを含んだリコンビナント帯状疱疹サブユニットワクチン 50μg+アジュバントでリポソームベースのAS01Bを添加した接種群 n=6541人と、生食接種群 n=6622人を、0-2か月投与で比較した。評価対象者は2回の接種が終了し、2回目接種から30日以内に帯状疱疹に罹患していない方が組み入れられた。

アウトカム:プライマリアウトカムは帯状疱疹の発症。他のアウトカムは、安全性・接種反応・帯状疱疹後神経痛とした。

患者フォローアップ率:89%(ZOE-70)

結果:
 ZOE-70の研究結果は以下。ワクチン接種で、帯状疱疹は1000患者年あたり0.8% vs 9.3%であり、ワクチン効果は91%(95%CI:87-95)だった。帯状疱疹後神経痛は、0.1件 vs 1.2件/1000人年であり、ワクチン効果は89%(69-97%)だった。

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(本文より引用)

結論:
 70歳以上の高齢者ではアジュバンドの帯状疱疹サブユニットワクチンは、プラセボと比較して帯状疱疹を減らす

 帯状疱疹は高齢者で大きな問題になっています。米国では毎年100万人以上の症例があり、医療費は推定50億ドルかかっているといわれています。また、累積発生率は85歳までに50%で2人に1人は罹患する疾患です。
 今回のワクチンによって、帯状疱疹罹患率は100人に1人から1000人に1人まで減少しています。かなり効果が高く今後実装されていく可能性は高そうですね。現在免疫抑制患者に対する帯状疱疹ワクチンの検証もされているのだそうです。