栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

今週のカンファ:セファメジン+バンコマイシン/インフルエンザ後のTSS/院内レジオネラ

カンファは冬なので感染症が増えて来ましたねえ。
色々思うところはありますね 笑

セファメジン+バンコマイシン Cefazolin and Vancomycin

 血液培養でグラム陽性球菌が生えた〜という場合にどうゆうアクションを起こすか??多くの場合には、バンコマイシンを開始しながら、培養結果でセファゾリンやアンピシリンにde-escalationできるかを考慮していくことになります。

 最近検査技師さんの中には優秀な方が多くて、ブドウ球菌・レンサ球菌・腸球菌・CNSあたりはある程度予測してくれる方もいますが、MSSAとMRSAを区別するのはなかなかに難しいデスよね。最近ではCA-MRSAも出てきているので、更に色々面倒になってきています。

 ここのところ、見かけるプラクティスとして、グラム陽性球菌陽性時に、バンコマイシンとセファメジンの併用があります。ちょっと違和感があるのですが、血中濃度の問題や、MSSAそのものへの活性もベータラクタム系薬剤に劣るという臨床研究もある様です。とはいえ、最初から併用して・・・というのはstandard oracticeではないですかね。皆様の施設ではどうされているでしょうか?

 ✓ セファメジンとバンコマイシンの併用??


 

インフルエンザ後のTSS Toxic shock syndrome after influenza infection

 インフルエンザ感染後のTSSは過去にそれなりに報告されている模様です。必ずしも肺炎の合併は不要なので、鼻腔にいる黄色ブドウ球菌でも皮膚のブドウ球菌でも、骨関節のブドウ球菌でも良いわけですよね。

 血小板減少、AKIとかを見るとついついTMAなどを先に考え易くもありますが、以下の基準を見ると、やはり皮疹や低血圧が特徴と考えるべきでしょうね。そういった意味ではTMAとは全然別物ですが・・・

http://www.ijccm.org/articles/2010/14/3/images/IJCCM_2010_14_3_147_74174_t3.jpg

http://www.ijccm.org/articles/2010/14/3/images/IJCCM_2010_14_3_147_74174_t3.jpgより引用)

 上記Major criteria3つに加えて、minor criteria 3個以上を満たす場合が確定症例となります。majorのうち1-2週間後の落屑は時間が経たないと分からないですし、除外診断も重要ですね。
 何にせよ、インフルエンザとブドウ球菌は相性が良いですねえ。困ったモノです。

✓ インフルエンザ後のTSSには要注意

 

院内レジオネラ感染 Legionella infection during inpatient

 時折院内アウトブレイクの報告はあるようです。あまり意識していなかったのですが、院内の給水設備や入浴設備などもリスクになるようですねえ。過去の報告では、1996年の慶応大学、2000年の広島の病院、名古屋大学などがある様で、給湯関係・加湿器・循環式浴槽が原因として疑われており、環境培養を行い、患者からの検出菌と環境分離菌の遺伝学的同一性を証明する必要があります。

 米国CDCは、定期的な飲料水の培養検査結果、院内発症を疑う患者が1例でも見られた場合には汚染源調査を行う様に指示している。また、通常一旦汚染された給湯水からの排除は極めて難しいとされていますが、塩素消毒(末端遊離塩素 2-6ppm)+水温を70-80℃でフラッシュする方法があるようです。

 ひとまず、疑わしい場合には確定診断が重要なので、尿中抗原のみならず、特殊培地での喀痰培養、PCRによる診断確認が必要です。この手の事はICTマターとしては重要なので、押さえておく必要がありますね。

  ✓ 院内レジオネラ感染対策は要おさらい