栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

Dトレ(ポリファーマシー連載2月号):血圧が高いのは心配です!

連載第11回目です。

連載って本当に大変なんだなということを身に染みて感じています。というか最初に設定したフレームワークにやや無理がありました笑

今月は生活習慣病に切り込んでいて、冬→高血圧→降圧薬!という感じです。高齢者の高血圧について整理しておこうという主眼もあります。

ご興味ある方は「治療」か「薬局」どちらかに掲載されておりますので是非本文をお読み下さい。 

薬局 2017年 02 月号 [雑誌]

薬局 2017年 02 月号 [雑誌]

 

 

症例) 83歳男性

 94歳男性。自宅で独居の超高齢女性。1か月前に自宅内でしりもちをついた後から強い腰の痛みが出現して歩けなくなった。その後、当院の救急外来を救急受診し、腰椎圧迫骨折が判明し緊急入院となった。入院後、当初は安静加療の方針となり、コルセット装着のうえリハビリを行った。入院後血圧が高く、リハビリ中に収縮期で180mmHgを超えることもあるとのことで、内科依頼があった。

 既往歴では、脂質異常症、認知症がある。脳梗塞や心筋梗塞の既往はない。ADLは自立し、自宅での生活は安定していた。アレルギー既往はなく、アルコール摂取なし、喫煙習慣も今までなかった。普段の血圧は分からないが、自宅には残薬が大量にあるとのことだった。

 バイタルは、意識清明、血圧 172/83mmHg、脈拍 76/分 整、身長154cm、体重 41kg、BMI 17.3だった。身体所見では、結膜貧血なし、心雑音聴取せず、両下腿に浮腫なし、脊椎叩打痛あり、明らかな下肢の筋力低下や感覚障害を認めず。

 血液検査では、特記事項なし。骨密度はYAM 58%。

 現在の内服薬は以下の通り。
(近医内科より)
・リピトールⓇ 10mg 1錠/分1 朝食後 98.6円
・オルメテックⓇ 20mg 1錠/分1 朝食後 112.8円
・フルイトランⓇ 1mg 1錠/分1 朝食後 9.6円
・芍薬甘草湯Ⓡ 3包/分3 毎食前 21.6円
・マグミットⓇ 330mg 3錠/分3 朝食後 16.8円
(近医泌尿器科より)
・ハルナールⓇ 0.1mg 1錠/分1 朝食後 62.4円
(入院後当院整形外科より)
・セレコックスⓇ 100mg 2錠/分2 朝夕食後 211.4円
・ムコスタⓇ 100mg 2錠/分2 朝夕食後 29.2円
合計 412.4円/日

質問)この患者さんについて誤っているものはどれか。2つ選べ。 
A 芍薬甘草湯Ⓡは血圧上昇の原因になりうる
B セレコックスⓇは血圧上昇の原因になりうる
C この患者さんの降圧目標は160/100mmHgで十分である
D セレコックスⓇとマグミットⓇは併用することでセレコックスⓇの効果が減弱する
E 本患者は利尿剤とARBとα遮断薬を内服して血圧コントロールが不十分であり、治療抵抗性高血圧である

 

Key Learning Points!)
・薬剤誘発性高血圧の原因薬剤を覚えて適切に対処しよう
・高齢者の降圧のエビデンスを確認する
・降圧に伴うデメリットを確認しよう


治療のテーマは今月はまたニッチなところにいきました。ここはあまり携われてないなあ・・・

治療 2017年 02 月号 [雑誌]

治療 2017年 02 月号 [雑誌]