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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Etiology 現在および過去のNSAIDs使用は心不全入院と関連する

ACPJC BMJ 論文 薬剤 循環器

ACPJCです。
NSAIDs毎の比較は結構興味深いですね。
セレコキシブは意外と心不全増やさないんだなあ・・・

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Non-steroidal anti- inflammatory drugs and risk of heart failure in four European countries: nested case-control study. 

Arfe` A, Scotti L, Varas-Lorenzo C, et al; Safety of Non-steroidal Anti- inflammatory Drugs (SOS) Project Consortium. 

BMJ. 2016;354:i4857.

臨床上の疑問:
 NSAIDsは心不全入院のリスクをあげるか?薬によってリスクが異なるか?

方法:
デザイン:コホート内症例対照研究で、4ヵ国5つの電子医療ケアデータベースのデータを使用。

セッティング:ドイツ、イタリア、オランダ、英国

患者:768万181人の18歳以上の患者で2000-2010年の間に1回以上NSAIDsが処方されている患者が対象。最初の処方日をコホートエントリー日とした。
 除外基準は、コホートエントリー前1年未満のデータベース登録。悪性腫瘍や非メラノーマ性皮膚癌、コホートエントリーの1年以内の初発心不全入院や1剤以上のNSAIDs処方。
 92163人(平均77歳、女性 55%)が、コホートエントリー後、心不全の診断で入院した。これらの患者からケースコホートを作成した(入院日=症例インデックス日)。
 各症例は症例インデックス日に、100人以下のコントロールとリスク後とマッチされた(n=824万6403人)。マッチングは、コホートエントリー日、年齢、性別に基づいておこなわれた。

リスク因子:現在(症例インデックス日から14日以内)もしくは最近(症例インデックス日から15-183日)のNSAIDs使用

アウトカム:初回の心不全診断での入院。

結果:
 現在のNSAIDs使用は、過去のNSAIDs使用と比べて、初回心不全入院を増やしたが、最近のNSAIDs使用は、過去の使用と比べて心不全入院を増やさなかった(OR 1.00:0.99-1.02)。

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(本文より引用)

結論:
 現在のNSAIDsは心不全入院のリスクをあげる。リスクは薬剤によって異なる。

 NSAIDsの副作用は、消化管出血、腎障害、高血圧、心筋梗塞、心不全など生命を脅かす致死的副作用もある。今回の報告ではNSAIDs全体で心不全入院を24%増加させたことを証明した。リスクはNSAIDs間で異なり、用量依存性だった。
 今回、比較的安全とされたNSAIDsは、ジクロフェナク/ミソプロストール、トドラク・セレコキシブは他のNSAIDsよりも心不全入院リスクは低減した。