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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

症例:BMJ 呼吸困難感とレントゲン異常

case report今回は再度BMJです。
さて、レントゲン一発です。

症例:70歳男性 呼吸困難感

BMJ 2017;356:j986

 70歳男性が数ヶ月前からの息切れを主訴に来院。胸部レントゲンは以下で、この場合の最も疑われる疾患は何か?

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(本文より引用)

質問. 診断は

 

回答:収縮性心膜炎

解答:

 胸部レントゲンでは心膜石灰化が認められる。心膜石灰化は収縮性心膜炎と関連するため、症状も合わせて考えると、心臓超音波検査を考慮すべきである。収縮性心膜炎はしばしば特発性だが、それ以外に感染、放射線治療の既往、手術、膠原病関連疾患が考えられる。

解説:
 心膜石灰化は、心膜の炎症および繊維化の結果として生じると考えられている。石灰化の存在は収縮性心膜炎と関連するが確定診断とは言えない。心膜石灰化患者のおよそ30%が収縮性心膜炎の症状や徴候を有する。収縮性心膜炎患者の27-50%が心膜石灰化を有するという報告がある。心膜石灰化があり症状がある場合には、収縮性心膜炎の可能性を考慮して更なる調査を行うべきである。
 しばしば特発性だが、収縮性心膜炎の原因として感染、膠原病、尿毒症、放射線治療の既往、外傷性心外膜炎、心臓手術があげられる。歴史的に、結核感染は心膜石灰化の重要な原因と報告されている。
 心膜石灰化は、単純X線写真の心筋石灰化と区別することが出来る。心膜石灰化はしばしば右心室を越えて起こり、心膜の経路に沿って末梢にある。本患者でも見られるように、広範な心膜石灰化は左室にも拡がる

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対照的に、心筋石灰化はより深くなる傾向があり、通常は左心室の頂部または後壁に発生し、動脈瘤を有することもある。

まとめ:
 心膜石灰化を有する患者では収縮性心膜炎を考慮すべきである