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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Therapeutics  単純性の左室結腸憩室炎では経過観察でも抗菌薬と比較して回復は同等である

ACPJCです。
このテーマは認識していますが、まだ実践とはいってません。
これもそろそろ日常プラクティスに落とし込んでいかなくては・・・

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Randomized clinical trial of observational versus antibiotic treatment for a first episode of CT-proven uncomplicated acute diverticulitis.

Daniels L, Unlu C, de Korte N, et al; Dutch Diverticular Disease (3D) Collaborative Study Group. 

Br J Surg. 2017;104:52-61.

臨床上の疑問:
 初回の左側単純性急性憩室炎患者では、経過観察は抗菌薬治療と比べてどの程度効果があるか?

方法:
・デザイン ランダム化比較試験(DIABOLO study)
・隠蔽化 隠蔽化あり
・盲検化 盲検化あり(アウトカム評価者・データ解析者)
・フォローアップ 6か月
・セッティング オランダ22カ所の外科・消化器内科病棟
・患者 570人の成人(平均年齢 57歳、男性 51%)で、初回の左側単純性急性憩室炎患者、修正Hinchey分類Stage 1a-1b(膿瘍≦5cm)もしくは24時間以内にCTでAmbrosetti CT Stageの軽症例を組み入れた。
 除外基準は、過去の憩室炎既往、大腸癌が疑われる患者、炎症性腸疾患、過去4週間以内の抗菌薬使用、予測生存期間<6か月。
・介入 外来治療可能で、経口摂取および水分1L以上摂取可能で、体温<38℃、VAS<4(1-10点)で、アセトアミノフェンは使用可能を経過観察群(n=283人)
 AMPC/CVA 1200mg/分4>48時間、以降経口摂取へ切り換えて10日間使用を抗菌薬群(n=287人)
・アウトカム 
 プライマリアウトカムは、回復までの時間
 セカンダリアウトカムは、病院再入院、複雑性・持続性・再発性憩室炎、S状結腸切除、死亡率。

・患者フォローアップ 90%、ITT解析

結果:
 抗菌薬群と経過観察群で、回復までの時間、再入院、合併症頻度、死亡率は変わらなかった。

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(本文より引用)

結論:
 初回の左側単純性急性憩室炎患者では、経過観察は抗菌薬治療と比べて同様に効果がある

 さて、にわかに登場した憩室炎抗菌薬不要説。徐々にデータが増えて来ていますね。今までは憩室炎治療の本幹は抗菌薬だったわけですが、そこが少しずつ変わりつつあるのかもしれません。
 米国消化器病学会のガイドラインでも抗菌薬使用はルーチンではなく、その患者さんの状況によって考えましょうということになっています。個別性重視ということでしょうか。
 抗菌薬の有害事象(下痢、CDIなど)を言われると、積極的には使いたくないという側面があるのも確かです。このデータを当てはめるにあたって注意することではオランダ人のデータであること、組み入れ適格患者の21%が参加拒否をしていることあたりでしょうか。