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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

論文:RCT 栄養療法開始後の体重減少維持

AIM 論文 肥満

栄養療法開始後の体重維持
Maintenance of Weight Loss After Initiation of Nutrition Training A Randomized Trial

Ann Intern Med. doi:10.7326/M16-2160

【背景】
 体重減少介入が成功した後にリバウンドすることはよくあることである
【目的】
 肥満患者の体重減少維持プログラムの効果を通常ケアと比較する
【デザイン】
 10kg未満の体重減少群と10kg以上の体重減少群の2群平行ランダム化比較試験が、2012年8月20日から2015年12月18日まで施行された。アウトカム評価者は治療群について盲検化された。
【セッティング】
 ノースカロライナ州の退役軍人医療センターの3カ所のプライマリケアクリニック
【患者】
 BMI≧30の肥満外来患者で、グループ体重減少プログラムによって16週間の間に4kg以上の体重減少が認められた方を組み入れた。
【介入】
 維持介入は主に電話で行われ、効果に対する満足感の評価、再発予防計画、セルフモニタリング、社会的支援を目的とした。通常ケアは研究に必要な調査以外は接触しなかった。
【アウトカム】
 プライマリアウトカムは、56週時点での平均体重増加。セカンダリアウトカムは、本人申告のカロリー摂取、歩行、中等度の運動活動。
【結果】
 504人が初期プログラムに参加し、そのうち222人が少なくとも4kg以上の体重減少が得られて維持介入群(n=110人)と通常ケア群(n=112人)にランダム割り付けされた。追跡率は85%。多くの患者が中年の白人男性だった。
 開始時の平均体重減少は7.2kgで、平均体重が103.6kgだった。56週時点での体重リバウンドは介入群で0.75kg、通常ケア群で2.36kgと、介入群が有意に少なかった(推定平均差 1.60kg:0.07-3.13kg)。セカンダリアウトカムには統計学的有意差は認めなかった。介入による直接的な有害事象は観察されなかった。

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(本文より引用)
【限界】
 結果の外的妥当性は担保されないため、一般化が難しいかもしれない。食事摂取良や運動活動は自己申告であり、効果も56週間までしか追跡されなかった
【結論】
 体重減少の維持に特化した戦略に焦点をあて、リソースを節約した介入は、肥満患者で体重リバウンドが緩やかだった。

【批判的吟味】
・論文のPICOは、
P:BMI≧30の肥満患者で体重減少プログラムで4kg以上の体重減少が得られた患者222人
I:維持介入群(主に電話で行われ、効果に対する満足感の評価、再発予防計画、セルフモニタリング、社会的支援)
C:通常ケア群
O:56週時点での体重リバウンド
T:ランダム化比較試験
・平均61.8歳、白人 58.1%、ネイティブ 37.4%、女性 15.3%、高校卒業 97.7%,、喫煙 6.3%、退職者 55.9%、平均体重 110.8kg、平均BMI 36.3
・limitationに書いてありますが、まだまだ追跡期間が短いこと、自己申告のアウトカムが多いこと、一般化が難しいことなどがあります。
介入自体は構造化された方法でパイロット研究も組まれています。
・具体的には、介入前後の写真を見直して動機付けをすること、再発が起こる可能性があるハイリスク状況を特定し、その場合の対処法を考えること
1.36kgを再発体重リバウンド閾値として設定、再発が起こった場合には、管理栄養士が食事や運動を再開するように指導
・グループセッションは全部で3回(2週・6週・10週)、電話介入は合計 8回(4・8・12・16・20・24・32・40週)、管理栄養士によって行われた。

【個人的な意見】
 視点が興味深いですね。リバウンド対策はなかなか難しいのですが、比較的安価な介入方法が効果的な事が明らかになっています。ただ、回数は大変かもしれないですねえ。これは結構テクニックとしては使えそう。体重外来になっていることも多いですからね。頑張り阿庄。

✓ 体重減少介入後の電話やグループセッションでの継続した介入はリバウンド予防に有用だった