栃木県の総合内科医のブログ

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症例:NEJM 67歳男性 頚部腫脹・嚥下障害

case report今回はNEJMです。
もう目を通した人も多いかもしれませんが。
結構衝撃でした〜

症例:67歳男性 頚部腫脹・嚥下障害

 N Engl J Med 376;9 nejm.org March 2, 2017

 67歳男性が、冠動脈造影を施行して数時間後に頚部腫脹、嚥下障害、嗄声が出現し救急外来を受診された。既往歴として、特発性拡張型心筋症に対して心移植を受けており、CKDも合併。造影剤アレルギーがあり、今回も造影剤投与前にヒドロコルチゾンとジフェンヒドラミンの投与を受けていた。
 身体診察では著明な顎下腺の腫脹と軽度圧痛を認めた。

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(本文より引用)

頭頸部CT画像検査では、対称性に顎下腺腫張を認め、結石や周囲の脂肪沈着を認めなかった。

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 (本文より引用)

質問. 診断は

 

回答:造影剤誘発性唾液腺炎

経過:

 患者は前投薬を受けていたにも関わらず、以前にもヨード造影剤に対する曝露後に似たような症状を経験したと報告した。ヨード関連の唾液腺炎と診断された。

解説:
 ヨード関連の唾液腺炎は稀である。唾液中のヨード濃度が高まり、粘膜感の腫脹および唾液排泄の障害を引き起こすと考えられている。ヨウ素化された造影剤のクリアランス障害は腎機能障害によって更に増大し、唾液腺炎のリスクになる。
 唾液腺炎は通常良性で、数日以内に治療を受けなくても自然軽快する。アレルギー症状ではないため、前投薬でも予防できない。

 患者の症状は5日後には完全に改善した。

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 (本文より引用)