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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Therapeutics 敗血症患者では持続的抗菌薬は間欠的抗菌薬と比較して病院死亡を減らす

ACPJCです。
このテーマはまた微妙な所です。
集中治療領域ではTDM導入して持続ってあるとも聞きますが・・・

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Randomized clinical trial of observational versus antibiotic treatment for a first episode of CT-proven uncomplicated acute diverticulitis.

Daniels L, Unlu C, de Korte N, et al; Dutch Diverticular Disease (3D) Collaborative Study Group. 

Br J Surg. 2017;104:52-61.

臨床上の疑問:
 重症敗血症患者では持続的ベータラクタム系抗菌薬投与は間欠的投与と比較して死亡率や臨床経過を変えるか?

方法:
・デザイン 3つのランダム化比較試験の個人データメタ解析
・隠蔽化 隠蔽化あり
・盲検化 盲検化あり(アウトカム評価者)
・フォローアップ 30日以内
・セッティング オーストラリア・ニュージーランド・香港・マレーシアの医療機関
・患者 632人の集中治療患者(平均年齢61-63歳、男性 64%)でICUに重症敗血症で入院した患者。
・介入 βラクタム抗菌薬の持続抗菌薬投与群(n=312人)、間欠的投与群(n=320人)
・アウトカム 
 プライマリアウトカムは、病院死亡(30日時点)、ICU死亡、臨床的治癒(抗菌薬終了7-14日後の感染症症状・徴候の消失)、28日時点のICUに入室していない日

・患者フォローアップ 100%、ITT解析

結果:
 持続投与群は5日、間欠的投与群は4日抗菌薬が投与された。持続投与は間欠的投与と比べて病院死亡を減らしたが、ICU死亡は減らさなかった。臨床経過や28日時点のICU入室していない日も有意差は認めなかった。

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(本文より引用)

結論:
 重症敗血症患者では持続的ベータラクタム系抗菌薬投与は間欠的投与と比較して入院死亡を減らしたが、臨床経過は変わらなかった

 抗菌薬の持続投与は病原体に対するMICを維持するために重要であると考えられています。更に、敗血症患者では毛細血管露出や腎クリアランスの関係で、PIPC/TAZやMEPMなどの親水性抗菌薬の血漿濃度は減少するといわれています。

 今回は入院死亡を減らした結果でしたが、過去の臨床研究の結果とはやや異なる結果です。例えば、今回のサブ解析では、腎代替療法が死亡率と関連しており、これは腎からの薬剤クリアランスが関連している可能性があり、これが死亡率と関連した可能性があります。

 また、持続投与では、薬剤師さんの負担も増えます。PIPC/TAZは比較的安定している様ですが、MEPMは安定性が不十分で頻回に輸液バック交換が必要になります。また、ポンプの利用やコスト増加なども危惧されています。

 少なくとも現時点で一般の患者さんに持続抗菌薬投与を推奨することはないでしょうね。