栃木県の総合内科医のブログ

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メモ:専門医が先に診るシステムは待ち時間を増やすかも?

専門医が先に見るシステムは待ち時間を増やすかも?
A “specialist first” system would increase waiting time

BMJ 2017;356:j1424 doi: 10.1136/bmj.j1424 (Published 2017 March 22)

 診療のゲートキーパーを誰が行うべきかは重要な問題で、診断の遅れや有害のアウトカムと関連すると主張している人達がいます。特に専門家が先に診るシステムが症状発症から適切な診断および治療計画が遂行されるまでの待ち時間を短縮するという結果が十分証明されているとは言えないようです。もし(日本の様に)多くの患者が専門家診療を自己受診するようになると、専門医のタスクが増え、2次医療機関の待ち時間は必然的に増えることになります。ただ実際のところ、本当に専門医受診そのものが増えるかはよく分かっていません。

 米国では、専門医が先に診るシステムも混在化したシステムの米国では、専門医アクセスが非常に限られている英国と比較して、12か月間の中で専門医が診察する頻度は2倍になることは報告されています。プライマリケア医からの紹介率は概ね同等で、米国 5.1/100コンサルト、英国 4.7/100コンサルトとなっています。部分的にでも専門医へのアクセスをフリーにするシステムが良いかもしれません。

 専門医がより多くの患者を診ることになると、より具合の悪い患者や専門性が高い医療を必要としている患者が更に待つことになります。また、患者自身が間違ったタイプの専門医を選択することでも同様に待ち時間が増える現象が見られてきます。逆に一般医が適切に扱っていた問題まで専門医が診なくてはいけないことで更に時間が必要になるケースもあるでしょう。実際に英国GPの診療の待ち時間は延びているものの、実際に専門医の医療を受ける人の時間は半減しています。

 win-winを目指すにはちょうど良いバランスというのがあるでしょうね。もしくは、何かしらの共通基盤を形成することでその手間を省くという形か・・・何にせよ、おそらくその医療機関ごと、地域ごとに考えていく個別化がここの部門でも重要かもしれません。