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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Therapeutics 生命予後が限られた疾患患者で、緩和ケア介入は1-3ヶ月後のQOLと症状負担を軽減するが死亡率には影響しない

ACPJCです。
緩和ケアのエビデンス。QOL改善に良いとのシステマティックレビュー。

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Association between palliative care and patient and caregiver outcomes: a systematic review and meta-analysis. 

Kavalieratos D, Corbelli J, Zhang D, et al. 

JAMA. 2016;316:2104-14.

臨床上の疑問:
 生命予後が限られた疾患患者で、緩和ケア介入は患者および介護者のアウトカムを改善するか?

レビュースコープ:
 英語の研究で、2つ以上の緩和ケアドメイン(身体的・心理的・社会的・構造的・精神的・法的・終末期・文化的)の介入がある緩和ケア介入と通常介入を比較した18歳以上の生命を脅かす疾患に罹患した成人対象の研究。また、QOL・症状の負担・気分・死亡率・事前ケア計画・死亡場所・医療資源利用・費用または満足度が報告されている研究。
 除外基準は、単一症状がアウトカムになっている研究や介護者のみを対象としている研究。

レビュー方法:
 MEDLINE・EMBASE/Excerpta Medica・CINAHL・Cochrane CENTRALで2016年7月までランダム化比較試験を検索した。

 43件のRCT(12731患者、2479介護者、平均年齢 67歳)が組み入れ基準を満たした。30RCTが悪性腫瘍の研究で、14研究が心不全対象だった。14RCTが外来セッティング、18RCTが自宅、11RCTが病院だった。
 バイアスリスクが低い研究は、ランダム割り付けが36RCT、隠蔽化が25RCT、客観的アウトカムの盲検化が5RCT、主観的アウトカムの盲検化が28RCTだった。感度分析はバイアスリスクが低いもののみで行った。

結果:
 主要結果は以下。緩和ケアはACPを改善し、患者・介護者満足を改善し、医療資源利用を減らす。緩和ケアが死亡場所・患者気分・費用・介護者QOL・気分・負担に与える影響の結果は一貫性が無かった。

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(本文より引用)

結論:
 生命予後が限られた疾患患者で、緩和ケア介入は1-3ヶ月後のQOLと症状負担を軽減するが死亡率には影響しない

 今回の評価ポイントであるQOLや症状負担の軽減というあたりは注意深く評価する必要がある。試験デザインにはかなりバリエーションがあること、主観的評価が多く含まれることは重要なlimitationになります。そもそも行動介入自体を均一化することはかなり難しいかもしれません。結語では緩和ケア介入を適切に分析するためのツールが必要かもしれないと締めくくられていました。