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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

論文:RetroCohort 外来診療中の医師の時間配分:4領域専門医の時間と行動についての研究

外来診療中の医師の時間配分:4領域専門医の時間と行動についての研究
Allocation of Physician Time in Ambulatory Practice: A Time and Motion Study in 4 Specialties

Ann Intern Med. 2016;165:753-760. doi:10.7326/M16-0961

【背景】
 医師の外来診療の時間配分がどのように配分されているかはほとんど分かっていない
【目的】
 外来診療で医師が何にどのくらい時間を使っているかを調査する
【デザイン】
 直接観察時間と行動の量的評価(勤務中)と自己報告日誌(数時間後)
【セッティング】
 米国4州(イリノイ州、ニューハンプシャー州、バージニア州、ワシントン州)の4カ所の専門領域外来。具体的には、専門分野が偏らないように、プライマリ・ケア専門分野から2種(家庭医と内科医)、内科専門分野から1種(循環器内科)、外科専門分野から1種(整形外科)が選択された。
【対象者】
 家庭医、内科医、循環器内科医、整形外科医の計57名が参加した。合計430時間、21回の自己報告日誌が評価された
【評価】
 訓練を受けた調査員が直接観察し、行動を「人と接している時間」「電子カルテ・デスクワーク作業」「管理業務」「その他の作業」の4つに分類して調査した。また、同様の4つの活動内容と時間を自己記入式の報告日誌の記録から調査した。
【結果】
 勤務時間内は、「人と接している時間」が27.0%、「電子カルテ・デスクワーク作業」が49.2%で最も多かった。診察室にいる時間に限れば、「人と接している時間」が52.9%で最も多く、つぎに「電子カルテ・デスクワーク作業」が37.0%だった。

f:id:tyabu7973:20170409161658j:plain(本文より引用)

 時間外勤務について自己報告日誌を記載した21人の医師は一晩に1-2時間の時間外勤務を報告し、多くが「電子カルテ・デスクワーク作業」だった。
【限界】
 データは事故記入式であり、他のセッティングに外挿できるかは難しい。記述研究デザインでは、医師毎や診療毎の統計学的比較は困難だった。
【結論】
 医師は、直接患者と接する時間が1時間あると、2時間は電子カルテやデスクワーク作業に費やしている。また、勤務時間外も、1晩につき1-2時間の時間を電子カルテやデスクワークに費やしている。

【批判的吟味】
・まずは論文のPECOから
P:4つの専門領域の医師の診療内容を直接観察および自己報告で評価
O:勤務時間の業務内容うちわけ
T:記述研究
・57名に対して、のべ430時間の観察(勤務時間内の平均観察時間は8時間)を行い、うち21名は勤務時間外の自己報告日誌も記録しています。
・参加者年齢は31歳から61歳。
46%の医師が医師の記録をサポートするサービス(口述記録、文書補助サービス)を利用している様です。
・16診療所のうち、1診療所は紙カルテ。電子カルテの種類は多く、15診療所に7種類でした。
【個人的な意見】
 こういった内容を研究にできるって素晴らしいですねえ。そして、やはり電カルとか書類仕事が多すぎるんだなあ。これ、何とかならないですかねえ?

✓  医師は電子カルテやデスクワーク作業に多くの時間を費やしている